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高銀(短編)
一周年記念!いつもとは逆で…
 
高校2年の春!

俺に初めての彼女が出来た!!

名前は高杉晋子さん。

頭が良くてクール(寡黙)でストレートの黒髪が凄く似合う美人な人。


しかも告白して来たのは彼女の方!!


今凄く幸せだ!!!


そう…幸せだが、晋子はとてつもなくツンデレなのだ………





〈一周年記念



「おら銀時ィ、悪いことしたらどうすんだっけかねェ…」

「すいませんっしたぁぁぁぁ!!!!!!」


只今2年3組の晋子さんの教室で、晋子さんの机の前で土下座中。

生徒がめっちゃガン見してるけど、んなこと気にしてられない!
晋子さんのご機嫌がかなりお悪いのだから…



「昨日、テメェ先に帰った時、誰といた?」

「……ひ、土方とおおお沖田君と」

「ほォ…テメェ用事が出来たから1人で帰るっつったよなァ?しかも昨日は2ヶ月記念だって知ってたんならいいが」

「…!?ししし知ってませんでした!!申し訳御座いません!」


何度土下座しても晋子さんは長い黒髪の先端の枝毛を見つけていて、全く許す気ゼロ…
あなたの髪に枝毛なんてないから!?

確かに昨日が付き合って2ヶ月記念だったなんて忘れてた。
そりゃ…俺は明日だと思ってたんだから…

ま、日にち間違えたのは俺ってことで100%悪いのは俺らしい。


「気分悪くなった。保健室行くわヅラ子」

「え…晋子さん大丈夫?」

焦って頭を上げれば晋子さんに頭を踏まれた。


「ぐへっ!!」

「いっぺん死ねや。そしたら許してやらァ…ククッ」


静かに笑って晋子さんは教室から出ていった。しかも思い切り扉閉めて出てったし…恐い……


「銀時君大丈夫?」

「高杉さんって恐いよねー」

「性格悪すぎ」

優しいクラスの女子が俺の踏まれた頭を撫でた。

あぁ…女の子って優しい!!あ、いや晋子さんも女の子だけどね。あの人は次元が違うというか…


「はーい、銀時が晋子以外の女と話してるわー。写メ撮って晋子に送ってあげなきゃ」

「ヅラ子ォォォ!!止めろ本当に殺されるから!!いや、晋子さんに殺されるならいいけど…でもダメー」

慌ててヅラ子の携帯を没収すれば、コイツは俺の腕を掴んで教室から無理矢理出された。
そしてヅラ子は腕を組んでため息を吐いて頭を掻いた。


「貴様本当に記念日を忘れたのか?」

「いや…明日だと思ってました…マジで」


そしてまたヅラ子はため息を吐いた。


「昨日、あの晋子が僅かに笑っていた。今日が記念日なんだ!って…」

「っ…笑って…あの人が…」


晋子さんが笑った顔なんて告白された時以外見た時がない。


さて、ここで一旦1年前の話をしてもいいか?

まぁ、視聴者の許可は取らねーから。




はい、まず俺は1年前入学式で晋子さんに一目惚れした。
同じクラスにはなれなくて毎日朝の電車とか、すれ違い様で挨拶したりする程度が幸せだった。


それが続き、今年の春に晋子さんに呼び出されて屋上に行けば彼女にこう言われた。

『好きだ。もし坂田に好きな人がいなけりゃ付き合え』

男らしい告白に一瞬動揺した。
だって無口で…毎朝挨拶しても無言で頷くあの人が告白だよ?!

『すすす好きな人は今までいません!!こっちこそ付き合って下さい』


テンパって何言ってるかわからなかったけど、多分そう言った…はず。

そしたら晋子さんは初めて俺の前で笑って
『ありがとな』って……


もうキューンですよね?
そして今です。


彼女のことは死ぬほど大好きだがまだ手を繋いだ、ってくらいの中学生みたいな初々しいお付き合い中…


「うわぁぁぁぁ、やっちまったよ。やっちまったってこれ!!嫌われたよな?うわぁーヅラ子髪切れー」

「私は関係ないだろ?!はぁ…晋子は保健室行ったんなら追いかけろ」


ヅラ子に尻を蹴られ、俺は半泣きで保健室へと向かった。




「全く……晋子はこんなヤツのどこがいいんだか」

ヅラ子はため息を吐いて銀時の後ろ姿に手を振った。




―――――――――

俺は保健室に行ったが晋子さんは来ていなかった。


その後も、理科室に図書室、音楽室に美術室……ありとあらゆる所を探したが見つからなかった。

最後に昇降口で彼女の靴を見たらまだあった。

校内にまだいるはずなのに…


そこで「あっ」と気付いた。
屋上からサラサラと風に靡く黒い髪が見えたのだから。



俺は急いで階段を駆け上がり、もたつく脚を無理矢理動かして屋上の扉を開けた。



「晋子さぁぁぁぁん!!」

「っ!?銀、時…」


俺は屋上の柵に寄りかかっていた晋子さんを見つけて大声で呼べば、目を丸くして晋子さんは驚いた。
あ、今の表情可愛い。


「し、晋子さ………ぐはっ?!」


さっきまで走っていたため、見つけた安心感から足が縺れて転んでしまった。
カッコ悪い…

なんか涙まで出てきたし本当どーしよーもねーよ俺。



「はぁ…大丈夫か銀時」

「うん…大丈夫。うぅっ……晋子さん、ごめんね。ホントにごめんね」


いつの間にか俺のそばでしゃがみ込んでいた晋子さんに何度も何度も謝った。


「俺…明日だと思ってたんだよ」

「……あァ。馬鹿だろ」


「うっ…明日、渡す筈だったんだこれ」


体育座りに座って頭を膝に乗せてポケットから小さな箱を取り出し、彼女に渡した。


晋子さんの表情は見えないけど、多分無表情か…


その時、温かい手が俺の頭に乗った。


「ペアリングたァ…随分洒落こんでんじゃねーか。銀時ィ面上げな」

恐る恐る頭を上げれば、頭ごと抱き締められた。


「つ…しししし晋子さん!?」

「俺の指にピッタリだ。ありがとよバーカ」

クツクツと笑う声が聞こえる。
嬉しいのを隠す為に抱き締めるなんて晋子さんらしくて…

俺も彼女の背に腕を回して抱き締め返した。



「ゆ…許してくれた?」

「一ミリでも指輪サイズが違ってたら命が無かったが…まァ、テメェが俺にちゃんと自分の気持ちを言えば許してやらァ」




身体を離されて面と向かいながら、早くしろと催促された。

深緑の瞳に黒髪が綺麗で、整った顔立ち。
本当に俺には勿体無いくらいの美人なこの方が彼女なんて……



「好き。大好きです!!晋子さんが大好き」

「俺も馬鹿でおっちょこちょいな銀時が好きだ」


フワリと笑った彼女に一瞬ドキッとしてしまった。

その隙に、晋子さんに両手で顔を挟まれキスされた。

いきなり過ぎて、唇が開いていた為晋子さんの舌が俺の口内に入って舌を絡め取られた。


「ん…ふっ…」


キスってこんなに気持ち良いんた…
一生懸命彼女に応えながら舌を動かせば鼻で笑われた。
いや、息出来ないよ?
どうやって晋子さん息吸ってんの??

酸欠で彼女の肩を押せばゆっくり離れて行った。


「ハァハァ……」

「エロい顔すんな。銀時はアレか?童貞だろ」

「なっ!?」


何とも図星過ぎて何も言えないと晋子さんは俺の頭を撫でながら首筋を強く吸った。


「っ…ちょっ晋子さん!?」

「テメェが他の女とヤってたらそいつを殺す。…良かったなァ、童貞で」

ニンマリとした笑顔が逆に恐い。


「愛してるぜ銀時ィ。初めて俺から告白したんだからな」

首筋に付いた後を指でなぞりりながら晋子さんはもう一度キスをした。



「ツンデレ萌…」

「あァ!?ぶっ殺すぞ馬鹿天パが」


鳩尾に鋭い右ストレートを頂き、後ろに倒れこむ寸前…彼女の腕も巻き込んで一緒に倒れた。
その拍子に彼女は俺の上に倒れ、そのままハグ!!


「いっ…はは、あははっ、俺を好きになってくれてありがとう!」

「…痛ェよ。離しやがれ」

「ダメ。いいだろちょっとくらい」



空は何て青くて広いんだろうか。

さっきまで喧嘩してたのが嘘みたいだ。



「ねー晋子さん」

「何だ」

「俺の何処が特に好き?」



そう聞けば馬鹿でかくため息を吐かれた。
そして俺の隣に横になるとボソッと呟いた。



「全部」

「わーお、マジですか。俺も晋子さんの全部が大好きです」


にこりと笑って彼女の髪を梳けば、プイッと横を向かれてしまった。


「可愛い」

「…勝手に言ってろ。ちっ」


見た目は最高なのに、口は最低。

ツンデレのツン8でデレ2でさ、たまに本気で命が危ない時もあるけど、


髪を梳いていた手を取られて繋がれた手は愛しくて愛しくて



「大好きです」



何度言っても足りないくらい貴女が好き。



「知ってる。何度も言うなウゼェから」


そう言いながらも顔は笑っている。そして絡ませた指をギュッと握った。

記念日間違えてごめんね。

次は絶対間違えないから…



「教室戻る?」

「…まだいいさ。銀時が戻りたきゃ戻るが…な」

「いえ。まだいいです…」

「銀時から今度はキスしろ」

「はぁぁ!?無理無理出来ない!いや、嫌ではなくて…心の準備が…」


「……この童貞が」



きっといつまでも

彼女には逆らえない…










――――――――

一周年記念間に合ったwwww


リクエスト下さった方や、毎回見てくださる方、ありがとうございます

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本当にありがとうございます!!!
これからもよろしくお願いします(o^∀^o)

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