7.
「とりあえず中に入って。ちょっとしたお知らせがあるのよ」
「あ、はい…」
知らせとやらを気になりながらも、手招きされるままに教室の中に入っていく。
あいつはというと、そんな俺の姿を笑った目で見つめていて……
何がそんなにおかしいんだ!!
ってゆーかその企み顔やめろ!!
声に出したくても出せないつらさ、わかってくれ。
「奏夜くん、こちらは中条 晴樹(はるき)くん…当然知ってるわよね?で、中条くん、こっちは柊 奏夜くんよ」
「ええ、知ってます」
なんで俺を紹介するときは「当然知っているわよね?」がなかったんだ。
理不尽な紹介を聞きながら、ちらりとあいつを見る。
そしたらあいつと目が合って。
「ッ!!……」
「………」
笑われた。
くす、なんて可愛いもんじゃない。
まさに…そう、「フっ」って感じで上から目線の笑い方だった!
むかむかと胸の底から這い上がる衝動を抑えて、今は先生の話に集中することにした。
あんなやつ、ほっとけば良いんだ。
「今日二人に集まってもらったのはね…中条君にはもう話してあるけど、今度の9月の全国ピアノ連弾コンクールっていうのがあってね、それにこの学園の代表として、二人に出てもらおうと思って」
「はぁ………ってはいッ!!?」
れ ん だ ん !?
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