8.



「奏夜、久しぶりに今日の放課後カラオケ行かねぇ?」

「おーっ、良いなそれ!俺は行く!奏夜は?」


頭の中のスケジュールを探って、今日の放課後は何かあったかと思い出す。


「……今日は無理」

「えー、なんで!」

「じゃあ明日は?」

「明日も無理。ついでに言うと、今日から一週間ずっとレッスン入ってんだよ…」


あの嫌な夢を見た日から数えて8日経つ。
その間なぜか一度もレッスンがなかった。



学園で上位にいるものや、将来有望な生徒などは、学園側から特別にレッスンを受けることが出来る。

しかしそれは強制的に、だ。


どうしてこうもレッスンがないのかと不思議に思いつつ、「中条」という嫌な単語を聞く機会が減ると密かに喜びをかみ締めていた矢先に、これだ。


今までレッスンの回数は週に大体4、5回で、レッスン続きだとしても五日以上連続したことはなかった。
そして、休みが四日以上続いたことも。


「はー、やっぱ学園二位は辛いねぇ」

「頑張れよ、学園二位!」

「……お前等、この前のピアノ試験何位だった?」


目の前に座る二人が、一緒ににかっと笑う。


「俺は学園372位!」
「俺は学園358位!」

「………この前まで、200位代じゃなかったっけ」

「「気にすんな!」」

「………」




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あきゅろす。
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