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しょたみかまさハロウィン

今宵は特別な夜。
真っ白いお化けに魔女に狼男、フランケンシュタイにジャックオーランタン。
街に溢れるお化けは今日がどんな日かを如実に物語る。
西洋の文化。ハロウィンは近年注目されるイベントは街も人も仮装してハロウィンを楽しんでいる。

「ほら帝人、早く」
「ちょっと待ってよ」

そんな町を駆ける少年たちも同様に魔法使いと狼男という仮装で今宵を楽しもうとしていた。
魔法使いの少年に手を引かれ走る狼男はその仮装にまだ照れを隠しているのか頬を染めながら一生懸命手を引く少年についていく。
何処へ向かうのか。少年は知らされていない。
町内のイベントに参加するのかと思ったらその行く道は違う。

魔法使いの少年は真っ直ぐに向かったのは家から少し離れた大きい公園。
ここでもハロウィンが催されているのか公園内の灯りとして橙のカボチャが所々に設置されていた。
何故こんな場所へ。
狼の少年は切れた息を整えながら友人を見るが彼はキョロキョロと公園内を見渡すばかり。
誰か探しているのだろうか。狼男は首を傾げる。

「あー!みつけた!」

そんな疑問に答えるように魔法使いの少年はひとつの影を指差しては再び狼の少年の手を引いてその影に走りよった。
その影もハロウィンを楽しんでいるようで、翻るマントとハットのシルエット。
近付くと良く見える口元から覗く牙に友人がやりたがっていたで吸血鬼だと気づく。
『被るからやめたー』と事前に溢していたのはこのせいか。
と狼の少年が少しずれた感想を抱いていると魔法使いの少年に抱き寄せられた。

「trick or treat!」

ハロウィンのお馴染みのセリフ。
友人は彼に会うために、ハロウィンを楽しむためにここに訪れたのかと狼男が納得していると、吸血鬼の少年は笑みを浮かべた。
そして、

「正臣……手前……、俺にたかるために一緒に回ろうとか言ったな?」
「えーいいじゃん。どうせ千景は沢山貰ってるだろ?」
「まぁかなり」
「よし!帝人!根こそぎ奪うぞ」
「正臣、自分があまりもらえる見込みないからって強奪は駄目だよ?」
「千景だからいいの」
「なにその理屈!?」

楽しげな子どもたちの声が夜の街に響いて行く。


ハロウィン、それは子どものイベント。





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