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あわくすのぺっとのあおばくん


兄貴に「手前も手伝え青葉」と連れてこられた粟楠会の事務所内。
兄貴が粟楠に入ったことは噂ではもちろん本人から聞かされていたことではあったが本人の妄言か利用されているだけだろうと思っていた。
しかしどうやらちゃんと一員として迎え入れられたようで、こうして幹部の皆様と顔を合わせている兄貴に純粋に感心した。
何故俺は連れてこられたのだろうかと兄貴と幹部の皆様との会話を適当に聞き流していると唐突にドアが空いた。

「愛の宅急便でーす!」

何事かと警戒する強面の皆さんなど気にした素振りも怯んだ素振りもない満面の笑顔を浮かべて入ってきた少年。
紀田正臣。
あいつに何があってここにいるのか、何をしているのか詳しくは知らないが赤鬼と言われた赤林の恋人で、そして他の幹部たちとも密接な関係であるらしいことを前に聞いたことがある。
紀田先輩は赤林さんの元へ真っ直ぐ駆け寄ると何か手渡していた。忘れ物でも届けに来たのだろうか。

俺が紀田先輩の方を向いていたからなのか、兄貴も気づいたようで楽しげに声を掛けてきた。

「黄巾賊のガキじゃねぇか」
「ちょっかい掛けるのはやめた方がいいんじゃない?赤林さんのものって話だよ」
「そうか」

あ、これは良からぬ事を考えてる顔だ。
兄貴の表情に何かを起こすきだと悟った俺はこっちまでとばっちりが来ないことを願うばかりだ。

そんな俺の願い虚しく兄貴は俺に一つ問い掛けた。

「なぁ青葉。愉しいことしねぇか?」









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