まさろちしたいろちまさ
手が震える。
釦に掛けた手が震える。
裸なんてもう見慣れてるはずなのに、
今さら恥ずかしがることなんてないのに、
手が上手く言うことを聞いてくれない。
二つ目の釦に手を掛けたところで止まる俺を笑う気配が頭の少し受けから聞こえる。
睨むように見つめてやればやはり笑みを浮かべる顔と目があった。
「手、震えてるぞ」
「うっさい!武者震えだ!」
ちらり見えた胸板に照れてるだとか、緊張してるとか、そんなことない。絶対ない。
そう、これはこれから千景さんを押し倒して無茶苦茶にするっていう武者震えだ。
自分から行動することに緊張してるとか、まじまじ見る千景さんの体に照れてるとか、千景さんとすることに恥ずかしがってるとかそんなこと、そんなこと……
「正臣」
呼ばれ視線を上げれば目を細め笑う千景さんにキスをされ押し倒された。
背中にベッドの柔らかさを感じながら覆い被さる千景さんを不服げに見つめれば
「お前に任せてたら夜が明ける」
と、クスクス笑いながら答えられ正直ぐぅのねも出ない。
今日こそ、千景さんをリードして、滅茶苦茶にして、俺がほしいとか恥ずかしい言葉を言わせてやるつもりだったのに、
……仕方がない、今日はこのぐらいにしておいてやる。
キスを落とす千景さんを受け入れるように俺はその首に腕を回した。
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