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アイドル六条とアマチュア正臣3


「なんだ、今日はずいぶんご機嫌だな」

収録の合間。控え室で暇を潰しているとかけられた声に振り返るとマネージャーである門田が立っていた。
待っている間に飯をすませろとロケ弁を受け取りに行っていた門田は貰ってきた弁当を俺の目の前に置いて無言で食えと差し出し、俺は腹一杯と突き返した。
煩い小言が降ってくる前にと俺は門田の質問に思い当たる節を話し始めた。

「『ご機嫌』ってほどじゃねーよ。でも、ほら、前に話したろ?駅前で良い歌歌うガキがいたって。昨日丁度近く行ったから覗いてみたら昨日もいてよ、少し話ししたってだけだ」
「ほぉそれは良かったな。あの日から足しげく通ってた成果が出たってもんじゃねーか。あれから手前このあるごとにあいつの歌がどーのこーのって話してたしな」
「なんで知ってんだよ!?」

門田の返答に思わず大声が出た。
確かにもう一度あの歌が聞きたくて足を運んだりいつ歌ってるのかとかナンパのついでに聞いたりしていたけどさ!
完全にプライベートの行動なのになんで知られてんだよ。
不審がる俺に門田は「何年お前のマネージャーやってると思ってるんだよ」と頭をぽんっと叩くと立ち上がった。

「収録再開何時頃か確認してくる。千景、ちゃんと飯食ってけよ」

そして会話中も食えいらないの攻防を繰り返してた目の前の弁当に釘を刺され、俺は仕方がなく割り箸を手に取った。

「いただきます」








あきゅろす。
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