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らんあお



ダラーズの粛清の帰り。
住宅街の一角のせいもあるだろう。
夜になれば人の気配も車の気配もない歩道を青葉は普段と変わらず、歩いていた。
しかし普段と違う光景が一つ。
前方にある駐車中のワゴン車だ。
車も通る道であり、現にたまにすれ違うこともある。
ライトは付いておらず単にこの付近に用があり駐車しただけの車だろうと青葉は気にも止めずその横を通り過ぎたとしたその瞬間。
青葉の聴覚はがらりとサイドドアが開く音を捉えた。
偶然と済ませるには青葉はバカでも品行方正でもない。
慌てて振り向くが口許を押さえつけられそのまま車内へ連れ込まれた。
倒された座席に押し倒され、見上げた顔に頬がひきつった。

「よぉ青葉、元気か?」
「やだなぁ兄貴。この前あったばかりじゃないか」

逃げろ、早く逃げろと警鐘が鳴るのも虚しく、
青葉に迫る蘭はその柔肌に牙を向いた。






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