ジュリリン7
一目惚れだったと、 彼は語った。
同じ顔、同じイメージカラー、だけど違う心。
真っ白な部屋に白い友人。ほぼ無色に埋められた部屋に飛び込んできた黄色。
それまでにも何かしら色を見てきた気がするが、その時初めて彼の世界は色づいた。
抱き締められたその熱に初めてこの世界の温度に触れた。
様々なことを教えられ様々なことを話し聞いてきた筈なのに、その時初めて彼の世界に根付いた感情。
映る色は触れた熱は芽生えた感情は、
想いとなり重いとなり積もりに詰まる。
積もり続けた重い想いはやがて許容力を超え、
「俺、お兄ちゃんのことを好きになんダ」
抱えきれない想いは吐き出される。
しかし重すぎる想い(データ)はエラーを起こし少しずつ少しずつ、狂い始める。
それでも狂わなかったのは、想いがあったから。
だが、それも吐き出した想いにより決壊を迎えた。
「ジュリア、ごめん。俺達は兄弟だろ?」
名前の通り傷心した彼は、自分のなかに積もり続けた想い(エラー)に押し潰された。
その彼の名前は『ジュリアに傷心』。
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