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ジュリリン6



「ジュリアくん、ルビ雄さんーっ!」

少女の悲鳴のような声が響く。
名を呼んだその二人と少し離れた場所に佇む彼女は目の前の光景に走りだそうとした。しかしその手を引かれ、何故と振り返ると悲しげな色を浮かべた友人が自分の手を掴んでいる。

「雪人くん、離してください。二人が、」
「うん、だからだよ。今あの二人に近付いちゃダメだ」

少女の目の前には壊れた姉やその友人たち。
何があったのか少女には図り知れないことだが、破壊の中心にいる友人たちが気掛かりなのだ。
その『何か』が姉だけでなく今度は友人に牙を向くと思うとじっとなどしていられない。
それなのに、何故止めるのだと、少女は問うように少年を見つめた。
この光景を作り出したのが心配しているその友人だと知らぬ彼女は雪人の答えに納得など出来ない。
彼もまた全てを話す気などないらしく、悲しげに微笑むと一つの名前を呼んだ。

「シャラ葉くん、セラ杏さんをよろしくね」

すると先程までいなかったはずのスーツ姿をした少年が少女ーー『セーラー服と機関銃』と少年ーー『なごり雪』の後ろに立っていた。
シャラ葉と呼ばれた『シャラララ青葉』は「了解です」と答えるとセラ杏の手をつかみこの場から連れ出した。
彼女はそんな二人のやり取りに納得などしておらず反抗していたが、これから起こりうることを何も知らない少女に見せるわけにはいかない。
シャラ葉は一つの部屋を作るとそのなかに少女を放りロックを掛けた。

それを確認した雪人は悲しげな笑みを消し、足元にまで転がってきた一つの『顔』に話しかける。

「いつまで寝ているんですか、あなたたちの大事なお古の始末をちゃんとつけてください」

壊れていても眉目秀麗に造られたことがわかる顔。その驚きで止まっていた表情がにぃっと笑みに歪んだ。






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