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ジュリリン4


過去。
それはまだジュリアが来て間もない頃のお話。

出来たばかりのジュリアはまだ試運転だとかで僕らが通ってきたように小さな部屋で暮らしながら徐々に世界に慣らされていく。
一週間ほど基礎知識や生活を学んだ後、皆のいる箱庭へと連れてこられる。
その間いきなり外の世界へ放り出されるのでは酷だと造られた時期が近いプログラム順に顔を合わせ、交流を深めていく。
いつもと同じ。いつもと変わらない工程。
そして僕らの箱庭に慣れた頃、漸くもう一つの箱庭、僕らよりかなり前に造られた"先輩"の箱庭にも赴けるようになる。

それがここのルールだった。


しかしこの時はいつも通りにはならなかった。

僕が初めてジュリアと顔を合わせたその日。
僕がジュリアに僕らのこと、外の世界のこと、話だけで聞いている兄弟や先輩たちのこと様々な話をしながら仲を深めているその時。
普段は開かれることのない、交流を深めるプログラムが入ってくる以外開かれることのないその扉が開いた。
他にも交流を深めるプログラムがいたのだろうか。答えはノー。試運転直後、一度に何個のもプログラムと会うのはエラーが起こりやすいとかで今の時期はまだ一対一の対話しか許されていないはず。
それなのに開く扉。そこから出てきた顔はーージュリアだった。

「俺の弟が出来たってホントか!?」
「?」

いや違う。ジュリアと同じ顔、同じイメージカラー、だけど随分と前に造られたプログラム、僕らの先輩。

「リンダ、さん?」

まだ僕らでも会う事のない"先輩"
会うことを禁じられている"お古"

リンダさんは僕の傍らにいたジュリアを見つけると「会いたかった!」と抱き付いた。




これがジュリアとリンダさんの出会い。

最古のプログラムと最新のプログラムの邂逅であった。




そしてある日、

「なァ、雪人。オれ、お兄チゃんのコとがーー」


ソレは始まった。





あきゅろす。
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