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ジュリリン2


「これは楽しいことになったね」

男の目の前に広がるのは自分達同じ姿をしたプログラム。
ジュリアの起こした行動に、彼は予想外だと満足げな笑みを口許に浮かべながら手を振りあるものを作り出した。
紙束と万年筆。
どちらも一目見て使い古されていることが分かる。
紙束は色褪せ皺が寄り様々な文字列が綴られ、万年筆は所々剥げていたり凹みが見える。
赤いベレー帽にどてら姿が特徴の黒髪の男。まるで作家や漫画家だと主張しているような身なりの男の名前は『灯台もと暗し』。通称、灯也。
灯也はさらさらと紙束に文字を書き連ねていく。
今までのことを綴り、これからを紡ぎ。

「さて、物語の書き出しは矢張これかな?」


『あるところに一人の少年に恋をした子どもがいました』








あきゅろす。
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