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ジュリリン


「じゅ、りあ……?」

リンダの目の前に広がる破壊尽くされたデータ。
かつてリンダと時を同じくして作れたデータであり、彼の友人たち。
その中心に立つのは最近出来たばかりの弟、『ジュリアに傷心』はリンダに気付くと出会った時と同じ顔で微笑んだ。
生まれた喜び、兄弟に会えた嬉しさ、これからの日々への期待。
にっこりと微笑まれるその笑みに気圧された最古のプログラム、全てのデータの兄であるリンダは簡単にその狂喜の接近を許してしまう。

「もう、お兄ちゃんたちは休んでいいよ。これからは俺達が頑張るからさ……だから中古は引っ込んでろよ」

ぽんっと労るように叩かれた肩から『何か』の侵入を許した感触。それがなにかを確かめる前に抗う前に、ソコからリンダは突如と姿を消した。


「オれはサ、おニイちャんのコとダイ好きだかラさ、アの人にコワさナいでって頼んでアげたんだよ、俺ってヤっさしー!」


破損し横たわる物言わぬプログラムたち、ジュリアの笑い声だけが響くそこはまるで嵐の前の静けさのようだった。









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