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嘘だと思ったら真(四木正)




一枚のメモ書き、それが俺の運命を180°変えた。
…なんて、カッコよく言ってみたけどきっとあの人の出会った辞典から俺の人生は狂わされたんだ。


初夏のとある午前、いつものように生活費を稼ぐために嫌々新宿のとあるマンションへ足を運ぶ。
上司の我儘を聞きながら難題を処理しつつ気まぐれに付き合う。
そんな一日が今日も繰り広げられるのだと思っていた。
あんな奴さっさとくたばればいいのに、と今日も心で願いながら事務所のドアを開ける。
声を掛けながら室内に入るが返答はない。返答がないのは珍しいことではないのだが、人の気配すらしない。
鍵は用心の為にも室内に誰かいても閉められているので当てにはならない。
出かけているのだろうかと首を捻りつつ足を進め室内を見渡すがやはり人の気配はしない。ふと一段下がったスペースにある机の上に一枚の紙が置かれていることに気づいた。
普段は何もないそこにある紙、置き書きだろうかと思いながら手に取り書かれている内容に目を通す。

『紀田くんへ
 ごめんね、ちょっと仕事でヘマしちゃったからしばらく戻らないから。
 仕事の指示は君のパソコンに送っておくからお願いね☆』

思わず「ざまぁwww」っと口にしかけ、自制する。あの人のことだから俺で暇つぶしをする為の妄言だろう。
ここで反応しようものならどこかで見ている臨也さんを喜ばすだけだ。
平常心を装いながら続きがあるようで、目を通していく。

『 だからしばらくは事務所に来ちゃだめだよ?
  住所とか調べられたら簡単に探り当てちゃう相手なんだよね。乗り込んでくることも考えられるんだ。
  って、この手紙読んでるなら来ちゃってるんだよね。ご愁傷様w』

実に嫌がらせたっぷりのメモ書きを思わず握り潰しそうになりながら、寸のところで思いとどまる。
馬鹿にしてんだろあの厨二病。
心の中で悪態をつきながら視線を巡らせる。
どこかで見ているはずだ、どこだ?この部屋にいないなら隠しカメラぐらい仕掛けてあるだろう。
はぁ、とため息をついてメモ書きをゴミ箱へ捨てた。

「付き合ってらんねぇ」

仕事がないならさっさと帰ろう。
あの人の暇つぶしに付き合う義理はない。
玄関へ足を進めようと踵を返すと玄関で物音がする。
帰ってきたのだろうか、それとも波江さんが来たのだろうか。
とりあえず入ってくるのを待とうとそちらに視線を向けていると入ってきたのはそのどちらでもない。
スーツ姿で、強面で、一目でその筋の人だと伺える雰囲気を纏う男たち。
ぎょっと息を飲み、入ってくる男たちを見つめていると当然こちらに気づいた男たちが近寄ってくる。
メモ書きにあった失敗した取引相手だろうか。
あのメモに書いてあったことは本当だったのか。
手の込んだ嫌がらせだと願いながらも頭のどこかでは否定している。
俺を囲うように近づいてきた男たちの中から一人、代表というように一歩前へ出てくる。
白いスーツを着た中年の男性。前に一度見たことがある。
臨也さんのお使いで、粟楠会へ書類を届けに行った時の…あぁ、確か四木という幹部の…って粟楠会!?
なんで粟楠会がここに?確かに臨也さんの仕事相手ではあるけど、
そこまで考えて俺の中に一つの予想が浮かぶ。
あのメモ書きのことはすべて本当で、その取引相手というのが粟楠会の人。
そして失敗した臨也さんをどうにかしようとここを訪れたが居たのは俺。そして囲まれる俺。俺は臨也さんと繋がりがある。つまり、死?
ざっと青ざめる俺を見て四木さんはクスリと笑う。笑うといっても口元を少し歪めただけで、目は微動だにしていない、射抜くような鋭い視線のままだ。

「そんなに怯えなくても大丈夫ですよ。我々は貴方には手を出すつもりはありません」
「えっと…なら、…臨也さんに、用…ですか?それなら暫く戻りませんけど」
「いいえ、貴方に用があります。貴方の雇い主に貸しを作ることにしましてね」
「…は?」

言っている意味が分からず思わず呆けた声を出してしまった。
やばいと思い口元を引き締めるが、四木さんは気にしたそぶりはない。ほっとしながら言葉の続きを促すと四木さんは簡潔に答えてくれた。
つまり、臨也さんからほとぼりが冷めるまで俺の面倒を見てほしいという、あの人の性格からは考えられない俺を思いやった内容を聞かされた。

「そういうわけですから暫くよろしくお願いします、紀田さん」





【嘘だと思ったら真】






こういうわけで、俺は次臨也さんに会うときはとりあえずぶん殴って気が向いたらお礼を言うことにして粟楠会でお世話になることになった。












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うずらちゃん、誕生日おめでとう!
遅ればせながら誕プレっす、四木正っす、臨正にも見えるけど四木正っす、ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁああああああいいいいいいいいい!!!!!!!!前にいってた臨也さんの策略でなんやかんやで四木さんのとこにお世話なる正臣ってたの書こうとしてこうなりました、きっとこのあと四木さんの家で保護されて、赤林さんが四木さんが新しい猫飼ったって聞きつけて遊びにいって四木正赤になるんだよ!
力尽きたんだ…





あきゅろす。
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