夏バテ対策(静正) 現在気温36℃。 ハッキリと言おう。 暑い! 梅雨もいつの間にか開けた7月上旬。学校もお休みな日曜の昼下がりの室内で俺は溶けていた。バテていた。 窓を開けていても入ってくるのは熱風だけで、地球温暖化が憎い。 アスファルトやコンクリートの熱の照り返しと太陽の直射日光のコラボレーションは凄まじいものだとさっき涼を求めて買い物に出た時に思い知らされた。ちなみに部屋を出て一歩で諦めた。 ニュースで熱中症と騒がれている中に俺もランクインかな、と馬鹿なことを思い始めた時、部屋にインターフォンの電子音が鳴り響いた。 「?」 誰だろう。 帝人辺りがこの気温に音をあげて家に逃げ込んできたのか? 一番可能性の高い予想をしながら軽くフラフラになった足で玄関へ向かうとドアを開けた。 「よう」 「あれ、静雄さん」 ドアを開けた先に居たのは予想外にも静雄さんだった。いつもは例え「今から向かう」と言う文面でも必ず連絡をくれるのに珍しい。 何か急用だろうか、首を傾げていると静雄さんは「近くまで来たから」と続けた。ちょっとだけビックリして、そしてついででも会いに来てくれたことが嬉しく俺は静雄さんに抱き着いた。 「いつでも来てください!いつでも大歓迎っすから!」 「お、おう。ほら、手土産だ。溶けないうちに食っちまおうぜ。」 ぽんぽんと頭を撫でられながら差し出されたコンビニ袋に目を輝かせた。 溶けないうちにってことはアイス類か? 流石静雄さん、気が利く! 丁度食べたいと思っていた食べ物に暑さも忘れてテンションが上がる。 そのまま静雄さんを部屋に上げて、ずっと我慢していたエアコンの電源を入れた。 「すぐに涼しくなるのでちょっと我慢してて下さいね」 「あぁ、別に構わねぇけど…エアコン使ってなかったのか?」 「んーあぁ、節電っすよ。今話題のアレ。まぁ電力云々もありますが料金の部分も否定出来なかったり。だから出来る限り…っと」 「紀田」 お茶を用意しようとキッチンへ行こうとしたらフラッと足が縺れよろめいたところを静雄さんに抱きしめられた。 暑さで体力が落ちているのか身体がバテているのか。今のままでは確実に夏バテしてしまうなと考えていると静雄さんが真剣な声で呼ばれ顔を上げると視線が絡み合う。 「節電とか考えることは偉いことだとも大切なことだとも思うがそれで体調を崩したら元もこもないだろ。最近じゃ熱中症や脱水症状で死ぬ奴が出てんだぞ。」 だからもう少し我慢するハードルを下げようとしたんだけど…心配かけたら、意味ないよな。 心配してくれる恋人を抱きしめ俺は安心させるように微笑んだ。 「大丈夫ですよ、そうなる前にエアコン使いますから。あ、節電ってことで静雄さん家にお泊り行っていいっすか?二カ所で使うより一緒にいて使う方が節電なりますし」 冗談を交えながら伝えると静雄さんの抱きしめてくる力が強まった。 何か可笑しいことでも言っただろうか。 心当たりがなく、どうしたのだろうかと静雄さんを見れば困った顔をして顔を赤らめている。 もしかして、照れてる? 「あ…静雄さん?」 「な、何もねぇぞ。」 「静雄さんがいれば十分ですよ」 可愛いなと思いながら俺はいつ泊まりに行こうかなどと考えていた。 【夏バテ対策】 何か忘れているよな、と静雄さんに抱きしめられたまま考えているとひんやりしたエアコンからの風に思い出す。 「あ、静雄さんアイス!」 「あ゛…」 慌てて二人で机の上に置かれた袋に駆け寄り中を見ると結露が付き柔らかくなった袋が見える。 もしかしなくてもこれは 「溶けちゃいましたね」 「悪ぃ…」 「静雄さんが謝ることじゃないっしょ。ほら、まだ完全には溶けてませんし食っちゃいましょ。」 溶け始めているガリガリくんを取り出して静雄さんに渡す。 折角買ってきてくれたのに食べないのも勿体ないしな。 ‐‐‐‐‐‐ 静正が足りなくてツイッターで騒いでたら書けばいいと言われたので書いた。 某様にネタを貰ったのにどこいった。アイスネタを貰って買ってきたアイスを半分ことか食べさせてもらったりとかそういう話を書こうとしたんだけど…アイスどこいった。あと考えてたら暑い部屋で汗たっぷりかいて、抱きしめられた時に「汗臭いですよ」って嫌がる正臣に静雄が「つまり紀田の匂いだろ」って寧ろもっと嗅がせろ的な |