一つの鍵の行く末(臨正) チャラ。 それは一本の鍵だった。 典型的な形をした鍵には鍵そのものと同じ大きさほどのキーホルダーがついている。 どこをどう見てもただの鍵だった。 変哲もない鍵をぶっきら棒に渡されて俺は心底意味が分からないと言う様に首を傾げた。 「今度はどういう嫌がらせ?あぁ、喜ばせた後に突き落す寸法?」 「少しは物事を真っ直ぐに受け止めてみたらどうですか?」 意味が分からず直球に尋ねれば、飽きられたように尋ね返された。 少し冷たくしすぎたかな、などという正臣君からはとても考えられない一言を聞いて合点が行った。 「そうか、これは夢か!」 「一発殴ってやりましょうか!?」 ポン、とこれまた古臭い動作をしながら、どうだと正臣君を見ていれば返答と共に一発顔にいいパンチを食らった。流石一つのチームを率いる少年のパンチだ。サイモンやシズちゃんほどではないが結構ダメージの残るパンチだった。てか、尋ねると同時パンチって聞くいみないじゃん。 そして頬をさすりながらその痛みに先ほど納得した『今』の理由を否定せざるおえないことに気付けば、理由がまた闇の中だ。 『物事を真っ直ぐに受け止める』ねぇ。 じゃあ、少しこの場を冷静に分析してみようか。 ・正臣君がいきなり部屋に乗り込んで来た。 ・前振りもなく問題の鍵を半無理矢理に渡してきた。 ・鍵はどこにでもありそうなタイプの鍵。(簡単にピッキングされてしまうようなタイプで防犯面から考えればおすすめしないタイプの鍵) ・大きさから見て何処かの部屋の鍵。 ・真新しいストラップがついている。 ここから導かれる答えは 「そうか、この俺に、正臣君に惚れた弱みに付け込んで鍵の交換要請を案にしm」 「本当、なんであんたはそんな残念なんですか?」 憐みられてしまった。 どこがいけなかったというのだろうか。完璧な推理だったはずなのに。 最近物騒だから鍵をもっといいタイプに変えたいけどお金がない貧乏学生だから俺にたかろうとしていたのではないのだろうか。そんなことそんな回りくどいやり方じゃなく素直に相談してくれても快く交換費を出してあげるというのに!全く君はなんて健気な子なんだろうね! 「仕方がない子だ。全く、ねだるならもっと可愛げのあるものにすればいいのに。まぁ、俺は君から何をねだられたって買い与えてあげるけどね」 「頭大丈夫ですか?マジでなんかキメてます?」 「正臣君を少々」 「俺、いつからクスリになったんですか!?」 「正臣君は媚薬と言うクスリさ!」 「もうやだ!この人!」 正臣君が泣き出しそうなほどに落ち込んでいる。どうしたのだろうか。 項垂れた頭を撫でるようにそっと手を伸ばすと睨み付けられる様見つめられる。 「あんたって人間はどこまでひねくれてるんですか!これはあれっすよ!合いカギ!…いつも勝手に侵入されたり部屋の前で待ち伏せられる身にもなってください!だから………入りたいなら勝手に入って待ってろこの野郎!」 顔を真っ赤にした正臣君からの告白に俺は二ヤリと笑って見せた。 「よくできました。」 ‐‐‐‐‐‐ ツイッターで絡んでもらってる子の誕プレを書こうとして、ラブラブな臨正を書こうとしたらこうなった。いつも正臣がツンツンだからラブラブにならないのならデレさせればいいんだ!ってデレさせらたら今度は臨也が残念になった。どうしてこうなった/(^q^)\ |