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春麗らかな昼過ぎ(帝正)




春麗。
ぽかぽかと心地よい春の日差しが降り注ぐこの季節。特に午後はお昼寝日和で学校の屋上の芝生の上で寝ころんで日向ぼっこをしたいくらいだ。
昼休みが終わるチャイムを聞きながら俺はそっと目を閉じた。

「正臣…いつまで寝てるのさ。授業始まっちゃうよ?」
「んーなぁ、今日はこのあとどうせHRだけなんだしサボっちゃおうぜ?」

そのまま春の陽気に身を任せ、漂う睡魔に意識を別の世界へ運ばれそうになる寸前で掛かる声に片目だけを開けて青空をバックに目の前に広がる恋人の姿を見つめた。
困ったような表情を浮かべてそわそわと周りと時間を気にしている。
携帯を開いたり閉じたり、人影が少なくなっていく屋上に慌てているようだ。
それもそうだ、この後にはまだ授業が残っている。このままでは欠席扱いになるだろう。
しかし特別大切な授業ではないので俺としてはこのまま日向ぼっこを続けたい。
帝人にそう提案すると眉間に皺が寄る。

「さぼりだなんてダメだよ。ちゃんと授業に出なきゃ。」
「だがしかし俺はもう動けない……。行くというならば俺を置いて先に行けっ!」
「カッコよく言ってもだめ。ほら、どいて。正臣がどいてくれないと僕動けないんだから。」

この優等生さんめ!
不貞腐れるように頬をふくらますと帝人からため息が聞こえる。
けどよ、無理やり動いたり、俺を落としたりしないところを見ると帝人も結構乗り気じゃねーの?
昼休みに無理矢理膝に頭を置き、所謂膝枕をしてもらっているわけだが文句を言いながらも俺が落ち着きやすいように体勢を変えてくれる帝人。
その優しさに甘えながら帝人をじっと見つめていると帝人が動いた。するとそのまま俺の頭は地面とこんにちわなわけで。思いっきりぶちつけた頭を押さえて丸まった。

「〜〜〜〜〜ってぇええ!!」
「ご、ごめん。まさかそんなすごい音がするとは思わなくて…大丈夫?」
「隙あり!」
「うわぁ!」
「へへ〜。もう授業始めってるしこのまま寝ちゃおうぜ〜?」

結構派手な音と、俺の行動に帝人が心配そうに顔を覗き込んでくる隙を見て俺は帝人に抱きついてそのまま押し倒した。
のしかかる様に動きを封じて帝人を見て笑う。
元気そうな俺を見て「騙したな」と怒る帝人だが、痛かったのは本当なので帝人の手を取ってぶつけた場所に当てた。

「いてぇのはホント。だから撫でて?」
「……あぁもう……はぁ…保健室行く?」
「んー帝人が撫でてくれれば治る。」
「唾でもつけてあげようか?」
「え、もう俺は帝人のものだけど?」
「花でも咲いてる?」
「春だからな。」
「年中でしょ?」
「まぁ、咲く花はあるよな。」
「正臣、わざとやってるでしょ。」
「おう。」

会話が妙な方向へずれていく。
わざとずらしてることがばれながらも帝人は優しく優しく頭を撫でてくれて、痛みが和らいでいく。
すりっと胸へすり寄り、目を閉じだ。
さっきよりも帝人の心音が聞こえ、いつもより少し早いと思いながら安心するその音に気付けば俺は夢の世界へ旅立っていた。




【春麗らかな昼過ぎ】






5時限目に現れない帝人を心配して杏里は6時限目が始まる前の休み時間を利用して屋上へ来ていた。
昼休み、先生に呼ばれたからと正臣と帝人と別れた芝生の場所へ足を向けると二人仲よく寝息を立てている姿を見つめ杏里は小さく幸せそうに微笑んだ。

「平和ですね。」









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うぐー!誕生日おめでとう!!!!!
ツイッターで最近ウザったいほど絡ませてもらっている鶯様への誕プレです!砂糖吐くぐらい甘い帝正ということで……二人でお昼寝させてみました。甘い……よね!私は書きながらにやにやしていた。
お誕生日おめでとう!うぐのみ書き直し、お持ち帰り等OKです!






あきゅろす。
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