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キオクノカナタ(派生組)



それは、まだ、他のシリーズが発売されるより少し前の話。
プロトタイプであるリンダが生まれて少し経った後の話。
そして、今はもう忘れられてしまった過ぎ去りし過去の話。


♂♀



「ろーっぴ!」

黄色い影が、自分より幾分か大きい影に抱きついた。
八面六臂(ろっぴ)と呼ばれるリンダリンダの後に作られた試作品。主に知能の低いリンダリンダの世話役として作られたプログラムはその名前らしく、万能に物事をこなしていった。
リンダの方も、プロトタイプであるために生まれてからずっと一人だったためにろっぴのことを歓迎し、そしてなついた。
今日もまた、ろっぴの後については隙を見て甘えている。

「ろっぴ、今日はどうする?」
「今日は少し外で遊ぼうか。」
「外いけるのか??」

目を輝かせるリンダにろっぴは優しくその頭を撫でた。
望むものはたいていは与えられ不自由などないこの生活だが、刺激もなく淡々としていた。そのためろっぴの外(ネット)という言葉にリンダは興味深々で期待に胸を躍らせていた。
まだまだ子供であるリンダを見ながらろっぴは小さく笑い、彼の手を引いてろっぴはリンダを連れ出した。



♂♀




「?」
「リンダ、どうしたんだ?」
「いや……今、何か思い出しかけたような……」

津軽とデートを楽しんできたリンダ。
手を繋ぎ、今日は何が楽しかった、今度はどこへ行こうと話している時リンダは何かに呼ばれるように振り返った。
しかし当然のことながらにそこには誰もおらず、一緒に歩いていた津軽はリンダの行動に首を傾げた。
リンダ自身も自分の行動が理解できないようで難しい顔をしている。何か頭の中で引っかかりを覚えるリンダ。
自分の記憶(メモリー)の中の映像が頭に浮かんでくるが、ピンボケしていてどういったものなのかよく分からない。しかし、なんだか懐かしいその記憶にリンダの心は温かくなっていく。そして同時に何か大切なことを忘れているのではないかという悲しさが押し寄せた。

「リンダ?」
「ふ……ぇ……つがるぅ……」

理由も分からず泣き出すリンダ。どうして悲しいのだろう。何を忘れてしまったのだろう。
リンダは分からず泣き出し、津軽に抱きついた。




【キオクノカナタ】






リンダが津軽に抱きついている様子を遠くから見つめる影があった。
ファー付きの黒のコートを纏う者。ファーの部分が明るいピンクになっており、遠目でも目立つその恰好。
コートを軽く着崩し、リンダに見つからない様に物陰に潜む青年は困ったように微笑んだ。

「忘れているならばそれでいいとは思ったけれど……どうしようねぇ。月ちゃん。」
「ろっぴが辛くない方を選べばいいんじゃねぇか?」
「君も大概酷いね。なら、行こうか。」









‐‐‐‐‐‐
巷でろっぴと月ちゃんが盛り上がってきた時に私の設定の中の派生組とどう絡むだろうと考えていた時に思いついたろぴリンでろぴ月。リンダのお世話役のろっぴだったけど次々に出てくるリンダのお友達(次世代モデル)にリンダに忘れらるろっぴ。でもそれでもいいと受け止めた時に月ちゃんと出会い……みたいな話にしようとしてどうしてこうなった。
今度はちゃんとろっぴと月ちゃんと、リンダ達との絡みを書きたいと思いました。あれ、作文!?





あきゅろす。
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