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どうか塗り替えて(帝正)


※裏あります。というか帝正です。なんて言ったって帝正なんですよ!←







ドサッと俺は呆気なく押し倒された。目に映るのは帝人ん家の天井とその家主である帝人の真剣な表情。
恋人同士になって早一ヶ月。キスすらもまだ恥ずかしがる相手にしては驚きの行動だった。(ちなみに不意打ちは俺も恥ずかしい。)

「み…」

近付いてくる顔に腕を伸ばして首に絡めればそっと重なる唇。侵入してくる舌に応える様に舌を絡めて深まる口付け。キスだけで精一杯に見える帝人のその自身を膝を使って押し上げてやればビクッと肩が震えて唇が離れていった。

「正臣…」
「帝人…勃ってる。」

顔を羞恥で赤らめて見つめてくる帝人に愛おしさを覚える。ギュッと抱き着いて、俺はどうして『初めて』をコイツに捧げられなかったのだろうかと悔やむ。
決して無理矢理では無かった。けれど好きだった奴かと問われればノー。ただ淋しさを紛らわす為に抱かれた様なものだ。

「正臣?」
『正臣君。』
「―っ!」

帝人の顔に被る様に思い出す忘れてしまいたい一夜。優しさの裏に隠し持つ非道な笑顔。忘れ様とすればする程鮮明に思い出される行為に思わず帝人を突き飛ばしてしまった。
ハッと我に返り尻餅を付いて目を見開き驚く帝人に抱き着いた。

「ごめ…これは違くて…」

だから嫌いにならないでくれ。お前が嫌いなんじゃない。お前とシたくない訳じゃない。ただ、知られるのが怖いんだ。ただ、思い出すのが嫌なんだ。
話したらきっとお前は俺の事を嫌いになる。話したらきっとお前は俺を軽蔑する。
でも、話さないでいるのも卑怯だって分かってる。

「正臣?」
「帝人、俺はお前が好きだよ。好きだ。」
「…よく分からないけど大丈夫だよ、正臣。いきなりゴメンね?ビックリしたよね。」

違う、違う、違うんだ。帝人の事が怖いんじゃない。行為が怖いんじゃない。
胸を締め付ける痛みに便乗して流れる涙。それに気付いてか気付かずか優しく抱きしめてくれる帝人の温もりが心地好い。宥める様に背中を撫でてくれる優しさが嬉しい。
だからこそ、黙っている自分が嫌いになる。

「帝人、好き、愛してる。」
「…うん、僕も好きだよ、正臣。」

涙で濡れる顔を上げて求める様に帝人にキスをして、触れるだけで離れた。

「…………………なぁ、帝人。俺は帝人が初めてじゃないって知ったらどうする?」

そして暫くの沈黙の後に意を決して尋ねてみる。やっぱり、黙っているのは嫌だ。一度繋がり、知られて離れるぐらいなら、その前に離れてしまいたい。
俺の質問に息を飲む音がして、抱きしめる力が強まる。

「僕は正臣の過去に何があっても何も言わないよ。…でも正直言うと残念かな。」
「みかど…」
「それにね、昔正臣が誰が好きだろうと今僕を好きで居てくれるならそれでいい。今、僕を見て求めてくれるならそれ以上は求めない。」
「でも俺は…好きでもない奴に抱かれて…求めて…」
「それは過去のことでしょ?今は違って、今好きで求めてるのが僕なら嬉しいな。…それでも罰が欲しいなら、一生僕を好きでいること。」

どうして、どうして、お前はそうも優しいんだよ。欲しい言葉をくれるんだよ。突き放す所か引き寄せて、本心を吐き出しながら蔑む訳では無くて。ギュッと抱き着いて帝人の温もりを確かめる。

「正臣、それで罰は受けるの?」
「…勿論。」

顎を持ち上げられて合う視線。冗談紛いに紡がれる言葉に苦笑を零して返答と言う様に自らキスをした。
これ以上ない罰だな。本当。


♂♀


「帝人…」
「ん…正臣…」

帝人を軽く押し倒して肘で体を支えている隙を狙って何度も触れるだけのキスをして。軽く主導権を握った所で片手で帝人自身を握った。

「ん…っ」

いきなりの行動で驚いたらしく体を震わせ顔を染める。睨まれても怖くないし、寧ろ可愛いななどと思いながらゆっくり、優しく撫でてやる。

「奥手で童貞くんな帝人くんにはこの百戦錬磨なラヴハンター正臣くんが一から教えてやるよ。」

再びちゅっと頬にキスを贈り体を後退させた。ベルトを外してから股間に顔を寄せた所でぐいっと頭が押される。何だ?と言う意味を載せて帝人を見ると顔を熟れた林檎みたいに真っ赤にして口をパクパクさせていた。

「ハハッ金魚みてー。」
「てか正臣、な、何するの?!」
「え、冒頭で帝人がしようとしてたこと。」
「…――っ!!」

具体的には違うけど意味合い的には同じだから問題なし!
頭を押す力が弱まった隙に再び顔を近付け口でジッパーを下ろし、下着ごとズボンをずらし帝人のペニスを取り出した。
あ、少し勃ってる。
ちゅっと口付けるとピクリと反応して少しずつだが固さを持ちはじめる。それはつまり俺の行動に反応しているってことで凄く嬉しい。
舌を出して下から上へと舐め上げると帝人から小さな悲鳴にも似た嬌声。こんな愛撫にも感じてくれる事が嬉しくて、ついつい意地悪をしたくなる。
舌を尖らせ先端ばかりを執拗に舐めはじめる。先端にある穴を中心的に攻め立て、時折優しくペニス全体を手で覆いを撫でる。適当な所で啣えて一度吸い上げると早くも限界だったらしい帝人は俺の口内に欲を吐き出した。

「ん゙…」
「ご、ごめ…」

まだまだこれからが本番だったんだけどな、こうもアッサリとイかれ、予期していなかった俺は吐き出された欲に噎せる。思わず口を離せば精液は顔にも掛かり、

「顏射?」
「馬鹿!」

帝人を見つめて尋ねると殴られそうな勢いで怒鳴られた。
指で顔に掛かった精液を掬い取り、そのまま口へと運ぼうとして手を捕まれる。

「まさかそのまま舐める気?」
「おう。」
「…」

よくぞ分かった!と思っていると暫く考えた素振りを見せた帝人がちょいちょいっと手招きする。何だろうかと体を少し起こすとそのまま抱き寄せられた。密着する体、触れてしまいそうな程近い顔。

「み、帝人?ん…」

頬を伝う熱い舌。

「僕が汚したんだから」

そう言って顔についた精液を舐め取り始めた。優しく這う舌は擽ったくて、身じろぐと抱きしめる力が強くなる。
逃げられそうにもないので寄り添い身を預けることにして、そっと目を閉じた。

『気持ちいい?正臣君?』
「――っ!」
「正臣?」

突如思い出された記憶に大袈裟に体が跳ねた。そこまで大袈裟に反応すれば帝人も何事だと舐め取る行為を中断して俺を覗き込む。何でもないと言うには無理な行動だったし、何よりはぐらしたくなかった。
ギュッと首に腕を回して帝人に抱き着き、手を引き寄せ指を絡めてそっと自分の後孔に帝人の手ごと這わせた。

「ここ…使うのは知ってるか?……ここに帝人が欲しい。忘れさせてくれ。帝人だけにしてくれ。」
「正臣…?………うん、僕だけでいっぱいにしてあげるよ。」

抱き返され耳元で囁かれる声に、俺は記憶を塗り替えるように目を閉じて帝人だけの声を聞いて、帝人だけの温もりを確かめて、帝人だけを考えた。





「ぁ…みか…ど、みかど!」
「正臣…まさおみ…っ!」

一応慣らしてくれようとけど、急かした俺に根負けした帝人は直ぐに俺のナカへと自身を挿入した。急かした俺が言うことでもないけど、やっぱりキツイ。でも、それ以上に幸せだった。帝人と一緒になれたこと、帝人に愛されていること。これ以上ない幸せに何の不満を持てと言うのだろうか。
余裕のない帝人に抱き着くと挿入も深まりよりリアルに帝人を感じる。無意識なんだろうけど良いところばかり突いて来て俺もそろそろ限界が近い。でもイくなら帝人も一緒がいい。

「な…帝人…イく…」
「いいよ、イって?」
「一緒…」
「……うん。」

それを伝えれば一瞬動きが止まり思わずもどかしさから求める様に腰を揺らしてしまう。僅かに目を見開いていた帝人の目が細くなり、幸せそうな笑みに変わり目尻にキスをされた。それから動きが更に早くなり、俺の頭は真っ白で、帝人しか考えられなくなる。
もう限界だ、と思うと同時に前立腺を突かれ、俺は呆気なくイってしまう。それと同じくしてナカに熱いものが放たれ帝人もイった事を悟る。

「みかど…」
「うん。」

放たれた熱いそれを感じながら帝人に抱き着くとギュッと抱き返される。温もりに安心しながら俺はいつの間にか意識を飛ばしていた。



【どうかり替えて】




「そういえば正臣…なんでそっち側に回ったの?」
「そっち?」
「えっと…挿れ…られる側。」
「ぁ…痛い事は初めてじゃねーから知ってっけど…だからって帝人を痛い目に遭わせてまでシたくないし…」
「…それは僕もおなじ」
「それ差し引きしても帝人が欲しかったんだ!」
「……プッ」
「笑うな!」
「正臣って変な所で素直だよね。そういう所も愛してる。」




‐‐‐‐
全体的に甘いなぁ。正臣の過去の相手は誰なのかはご想像にお任せします。(もう想像付いてそうですが。)
さて、壱萬打フリリク、ラスト28つ目は匿名様の『裏。童貞帝人と非童貞正臣』でした!正臣の童貞の行方は僕にも分かりません←

それではフリリク一発目から早三ヶ月。長い間お待たせして申し訳ありませんでした!
壱萬打の企画参加、ありがとうございました!






あきゅろす。
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