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君を労りたい(臨正)

※小説3巻、アニメ24話の正臣が病院に運ばれたあの辺り。



正臣が病院に運ばれ数時間後。帝人達はもう遅いからという理由で帰されてしまっており、正臣の病室には本人しかいない。その本人も、一度目を覚まし、恋人である三ヶ島沙樹との会話の後再び眠りに就いていた。彼が現れるまで。
それは音もなく現れ、ベッドに横たわる正臣を見て小さな笑みを浮かべた。そっと伸ばした手は正臣の頬を包み込み、愛おしげに滑り落ち、顎を捉えて顔を近付けた。噛み付く様にキスをし、無抵抗な口内へ舌を侵入させる。舌は舌を絡め取りくちゅくちゅとやらしい音を立てながら愛撫していく。そこまでされれば当然正臣の意識は覚醒し、目の前にある憎い姿に眉を潜め、そして突き飛ばす。

「―っに、するんですか!?」
「君が怪我をしたからお見舞いだよ。後はお世話かな?」

溢れ零れた唾液を拭い、上半身だけを起こして警戒するように睨む。睨まれるその表情すら愛おしげに受け止めながら今回正臣が怪我をした理由を作った本人でもある折原臨也はいけしゃあしゃあとまるで恋人のような優しい態度を見せた。しかし何度か煮え湯を飲まされている正臣には通じない。『帰れ』と思いっ切り態度に載せて睨み付けてやればやれやれと臨也は肩を竦めた。

「嫌われたもんだね。」
「自業自得でしょ。…それでいつまでいるんですか。」
「言ったでしょ、君の世話をしに来たってさ?」

暗闇でも分かる臨也の笑う気配にゾクリと嫌なものが背筋を走る。睨むと言うよりは怯えた表情で、正臣は臨也を見つめるしか出来なかった。


♂♀


「ん…触る、な。」
「ほら、動かないの。寝汗で気持ち悪いでしょ?」
「自分でします!」

それから何かと口実付けては臨也は正臣に触れてくる。今も汗を拭いてあげると言いながら臨也は後ろから正臣を抱きしめ拘束し、必要以上に胸ばかりを軽く湿ったタオルで拭いている。力を入れないその動きは汗を拭き取るというよりも肌にタオルが掠れもどかしい刺激を生んでいる。手で愛撫されるよりも擽ったさを生む動きは突起の周りをなぞるように動き、時折強い刺激で突起を押し潰されたり、かと思えば全く違う脇腹辺りに移動したりと正臣を煽り翻弄していく。

「ぁ…いざや…さん、止めてくだ…さ、い…」
「何、触るだけで感じちゃった?」
「違っ…黙れ変態!」
「ならその変態に感じてる正臣君はド淫乱かなあ?」

振り払う様に空気を切る腕におお怖いと正臣から離れ解放して様子を見る臨也。臨也の言葉通り感じ始めてしまいその羞恥と屈辱から軽く目尻に涙を溜めながら正臣は睨み付けた。しかしそれは臨也を煽るだけでしかなく、見て分かる程尖った突起に臨也は優越に浸る。だがそれ以上何かを仕掛ける訳でもなく、正臣を見下ろすだけだ。

「アンタは何がしたいんだ!」
「あんまり大声を出すと誰かに気付かれちゃうよ?ここは病院だからね。それともこんなやらしい姿を見られたいのかな?」
「…―!」

シーッと小さな子供に諭す様に人差し指を立てて口元に沿える臨也。彼の言うことは確かで、乱れた服に、感じ始めている身体、そんな姿を誰かに目撃される危険を避ける為にも正臣は悔しそうに口を閉じた。思い通りの行動に自然と深まる笑みは歪んだ愛を表し、臨也はそっと顔を近付けた。

「さあ、どうする、正臣君?」
「……帰れ!」

少しでも動けばキスされてしまいそうな近距離で、正臣の頬は自然と赤くなり、それを隠す様に更に鋭く睨み付けた。やれやれと肩を竦めればそれ以上近付くことなく臨也は正臣に背を向けた。
思っていたよりもあっさりとした臨也の行動に正臣を目を見開いた。そして同時に何とも言い難い胸の痛みが押し寄せる。

「バイバイ、正臣君。」

緩く肩越しに振り返り手を振るその姿は紛れも無く自分が望んだ事で、しかし今正臣の胸を占めるのは喜びではない。寧ろ反対で…切なさが込み上げている。

「臨也、さん!」

反射運動とでも言うのだろうか。頭で考えるより先に正臣はドアに向かい歩き始めた臨也の背を追い掛けベッドから抜け出した。後ろからその背中に抱きしめて、そこで我に返る。
何をしているんだ。
しかし引き止めるように回した腕は解かず、そっと臨也を見つめた。

「なに?」
「…っ…責任…!怪我をした、責任を…とって下さい。どうせ今回のこと、アンタが絡んでるんでしょ?!」
「酷い濡れ衣だね。まあ、間違ってはないけど。」

吐き捨てるような言い方。正臣が臨也に対して素直になることなど珍しく、こんな言い方でも素直な言い方には変わりない。腕をやんわり解けば正面から正臣を抱きしめ直し、耳元に唇を寄せた。

「責任はそれだけ?」
「…っ…さんが…臨也さんが欲しい、です。」
「よく出来ました。」

低く低く囁く声に耳まで真っ赤にしながら正臣はポスンと臨也の胸に顔を埋めた。



【君を労りたい】




このあとどうなったかは…二人だけしか知らない。



‐‐‐‐
のこちゃんの所にアニメ最終回チャットに参加させて貰ってきました!その時に台詞だけだけど文章投下していたのですが人が増えたのと忘れていたのもあり最後まで書けなかったのでと書いてみたものの…チャットの時と同じ様なとこで終わったw
とりあえずこのあと二人はヤります。以上。
チャットではまだ色んな事を言っていた筈なんですがなんだったかな…。





あきゅろす。
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