[携帯モード] [URL送信]
何でもない昼下がり(臨正)

珍しく臨也さんが散歩をしようと誘ってきた。
珍しく臨也さんが手を繋ごうと手を差し出してきた。
珍しく臨也さんと散歩に出掛けた。
珍しく臨也さんの手を掴んだ。
手は指を絡めて所謂恋人繋ぎとなった。だけど、俺は振りほどく事をしなかった。
たまにはいいかな、そんな気まぐれで。
たまにはいいかな、こんな恋人らしいことをしても。
チラリと臨也さんを見ればそれはもう楽しげで、目が合えば更に目は細まった。

「君が珍しいね。」
「煩いです。」
「やっとデレ期?」
「死ね。」

死んだら悲しいくせに。そんなお決まりの言葉を耳にしながら歩く歩く。「何処へ行くのか」を聞いたら「何処へでも。」と返ってきた。「君となら何処にいても愉しいからね。」聞いてないことも返ってきた。
当てもなく歩く歩く。何処へ行こうか。何処に行きたいだろうか。何処でもいい。この時間が続くのならば何処へでも行こう。

「臨也さん、なんで俺が好きなんですか?」
「なら君はなんで俺が好きなんだ?」

質問を質問で返されることなんていつものことで、俺は臨也さんを見て笑う。

「嫌いだからですよ。」
「本当、今日はデレDayかな?」

俺の答えを聞いて笑う。臨也さんの言葉を聞いて笑う。

足が止まる。臨也さんの足が止まり俺の足が止まる。何かと首を傾げれば臨也さんは一点を指を指す。

「食べる?」

その先にあるのはアイスクリーム屋。仄かに暖かい気候には丁度いい。

「臨也さんの奢りなら。」
「何がいい?」

バニラ、と答えれば分かったと頭を撫でられて臨也さんが買いに走る。
なんだかこれはまるで恋人みたいじゃないか。幸せをかみ締めながら近くのベンチに腰を掛けて臨也さんを待つ。差ほど時間も掛からず臨也さんが戻ってきて、バニラとストロベリーの二段アイスを差し出され、俺だけ二段アイスに少し驚いた。ちなみに臨也さんはチョコレート。「後で一口頂戴。」と言われて臨也さんはどれも食べたかったんだな、と勝手な推測を立てて笑った。

「君、子供みたいだね。」
「?」

アイスを食べていると突然言われた言葉に首を傾げた。確かにまだ高校生は大人の部類でもないがそれは突然過ぎないか。どういうことかと口を開くと近付いてくる臨也さんの顔。え、ちょ、外でキスでもされるのかと抵抗しようとする前に口端をペロリと舐められた。

「は…ちょ、何を…!」
「だって口端にアイスついてたよ?」

子供みたいで可愛い、と笑われて、臨也さんの行動と自分の間抜けさに顔を赤くした。そうしたら勿論臨也さんはからかってきて。
睨むように臨也さんを見て俺も笑った。

「人のこと言えないじゃないですか…。」

え、本当?と驚く臨也さんを他所にそっと顔を近づけては口端をペロリと舐めれば更に驚いた顔。してやったり、と笑みを浮かべると同時に後頭部を押さえられ、逃げれなくなったすきに唇に触れる温もり。何だと問うのは愚問で、そっと目を閉じた。



【何でもない昼下がり】



「…臨也さんの馬鹿。アイス溶けた。」
「また買ってあげるから。」
「ならハーゲンダッツ一年分。」
「…お腹壊すよ?」



‐‐‐‐‐‐‐
Q⇒誰ですか?
A⇒バカップルです。
正臣が臨也に対してデレると限りなく誰これ状態w
こんな誰これ状態な臨正を『JHS*sick』の夏輝様に相互お礼としておし…間違えた。捧げます。甘い臨正とのことでしたが…臨正?な感じです。臨也の黒さも毒もなく、正臣のツンもない臨正ですが良ければ貰って下さい。
これからもよろしくお願いします!
夏輝様のみお持ち帰り、苦情、書き直しなど受け付けております。




第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!