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壊れてしまう関係(帝正)

※裏入りました。地味に【一夜の夢】の続きだったりします。






さて、かれこれ10分。コイツに抱きしめられたままだ。寝たかな?と思うが全体重が掛かっているわけでもなくスリスリ動物のように甘えている。
さぁ、どうしたものか、と考えていると帝人が動いた。
首筋に顔を埋めペロッと舐められ、その擽ったさに変な声を上げてしまう。だけど帝人はお構いなしにペロペロ甘えるように舐めてきて引き離そうとする手はいつの間にか帝人の服を握り締めていた。

「ン…ぁ…ちょ…みか…ど、んァ」

息が荒くなるのが分かる。帝人はただ酔っていて、甘えているだけなのに、期待してしまう自分に嫌気がさす。ただのじゃれ合いなだけだ、何度言い聞かそうとしても帝人の温まりに期待ばかり高まってしまう。
チクリと小さな痛みと気持ち良さに声を上げ、身をよじると帝人は首筋から喉元へ移動し、キスをしながら鎖骨へと落ち着く。そこでまたチクリと痛みが走り、離れていく帝人の背中に腕を回してギュッと抱きしめた。明日覚えてなくていいから、だからもう少し傍に居てくれ。もう少し、お前を感じていたい。
離れるのが名残惜しくて抱きしめれば帝人は小さく微笑む。そして「好き」と幸せそうに笑えば、重なる唇。
嘘だ、覚えていてほしい。俺の気持ちを知って欲しい。だけど、怖い。何がなんて分からない。気持ちは同じはずなのに否定されて今までのものが壊れてしまうのが怖い。

「ふぁ…みか…どぉ…」
「どうしたの正臣?」

口内を犯し、離れていく帝人と俺の間に銀糸が出来て切れ落ちる。無意識に帝人の名前を呼べば困ったように笑う帝人にどうしようもないものが心を占める。
チュッと目尻にキスをされ離れていく帝人の顔は幸せそうで、この時間を本当に忘れてしまうのかと言う不安が募る。

「帝人、好きだ。」

だから、忘れるな。

「うん、僕も好きだよ。」

ずっと覚えていてくれ。俺との時間を。

「愛してるよ、正臣。」

服の中に侵入してくる帝人の手は仄かに冷たく、ビクリと身体が跳ねた。コイツは何処まで甘えてくるんだろう。何処まで俺の期待を煽るんだろう。
侵入してきた手は腹部を撫で、撫でながら服を捲り上げた。露になる胸に帝人の顔が近付き、ペロッと胸の突起を舐められた。

「ンァ…み、みかど?」
「正臣、可愛い。」

クスリと笑われ、羞恥が増す。顔に熱が集中するのを感じながら帝人の甘え方に今更ながらに違和感を覚えはじめた。
それと同時に片手が俺のズボンのベルトを颯爽と外し、下着ごとズボンを脱がされる。
…ちょっと待て。

「み、みかど?」
「何?」
「何するんだ…?」
「正臣、この状況でそれは愚問じゃない?」
「だが、敢えて聞こう。」
「…正臣、僕のこと好き?」
「?」

慌てて帝人の手を掴んで尋ねてみる。呆れたように溜息をつかれて、質問を別の質問で返され、ちょっとだけ恥ずかしく、ちょっとだけ今更と思いながら頷いた。

「僕も正臣が好き。」
「あぁ…」
「だから正臣と一つになりたい。」
「なぁ…」

カァっと顔が更に赤くなるのを感じた。それは帝人も同じらしく、逸らした顔が仄かに赤いのが見えた。
でも、朝になったら忘れちまうんだよな。
帝人の言うことは凄く嬉しいけれど、物凄く淋しい。

「やだ」
「やだって…正臣は僕とするのは嫌なんだ。」
「違う。」

お前が嫌なんかじゃない。寧ろお前じゃないと嫌だ。でも、酔っているお前は嫌だ。朝になったら忘れてしまうだろ。だから嫌だ。

「違うならどうして?」

しゅんとした表情で見られれば心が痛む。俺だってお前が欲しい。

「帝人がそんなんだから。」
「どういうこと?」
「…。帝人が…酔ってるから、朝になったら覚えてないのとか嫌だから。」

言っていて恥ずかしくなった。両腕で顔を隠していると目の前から笑う気配。我が儘だって分かっているけれど忘れられることはすげー淋しいんだからな。

「正臣って本当馬鹿っていうか鈍いよね。」
「…はぁ?」

馬鹿とか鈍いとか酷すぎる。いつものことだけど。

「まだ酔ってるとか勘違いしてるんだ?」

そう言って近づいてくる帝人にキスされると思って反射的に目を閉じる。だけど唇にその感触はなく鼻先をかじられ離れていく。

「…っか、酔ってたフリかよ!きったねー!」
「僕もここまで正臣が騙されるなんて思わなかった。」

覚えていないからするの嫌だとか可愛いよね、と言葉を付け加えられ、酔っていたからこそ、明日記憶がないと思っていたからこそ出来た自分の行動を思い出し、すっごく恥ずかしくなった。帝人の顔が見ていられなく、身をよじって背を向けた。

「ねぇ、正臣。覚えてるならしてもいいんだよね?」
「ふァ…耳元で喋るな!」

後ろから帝人の動く気配がしたと思ったら息が掛かる程近くで囁かれ更に羞恥を煽られた。振り向いて阻止しようとすればそのまま肩を掴み押されて完全に帝人に組み敷かれる形となった。

「正臣…」
「ん…。」

こんな時にそんな真剣な顔をするのは反則だ、恥ずかしいからって拒めない。でもやっぱり口にするのは恥ずかしく、帝人に抱き着き、自分からキスをすることで答えた。

「帝人、俺も好きだ。」
「僕も好きだよ、正臣。」

帝人が笑えば俺も、笑った。そしてどちらともなくキスをした。


♂♀



「あァ…!みか、みかど!」
「まさ…おみ、気持ちいい?」

激しく中を突かれ、声が上がる。ギュッと中が絞まり、更に帝人のが大きくなるのを感じ、少しの苦しさと、満たされる幸せに帝人に抱き着いた。帝人の息を飲む音が聞こえ、何故かまた帝人のが大きくなる。
耳元に聞こえる声に俺が帝人の帝人で声を出しているせいだと気付くが、気にしてられない。帝人の動きは優しげで、じれったいと思ったら激しくて、絶妙なタイミングで俺を煽り、気持ち良くしてくれるから帝人以外のことを考えられなくなる。
帝人がくれる快楽に応えるのが精一杯で、ただただ俺は喘ぎ続けた。

「ンァ…ぁ…きも、きもちぃい…」
「正臣、イク?」
「あ…ィク…出したい」
「うん、いいよ。イって?」
「ャダ…」
「?」
「みかども……なァ、またおおきくなった」
「正臣が悪い」

限界が近く、帝人に促され気持ちを伝える。初めてなんだ、一緒がいいと言葉にした途端また大きくなる帝人自身。正直どこまで大きくなるんだと思いながら、男の俺でもちゃんと帝人のこと気持ちよくさせられているんだと分かって幸せになる。
ギュッと力強く抱き着くと帝人の動きが変わる。先程まではイイところとそうじゃないところを交互に突く動きがイイところばかり突き上げる動きに変わる。突かれ、抜かれ、突き上げられて。激しさを増す動きに俺は頭が真っ白になって喘ぐばかり。帝人も余裕がなく笑い、「好きだよ」と囁かれ、イイところを今まで以上の強さで突き上げられれば俺は呆気なくイってしまった。

「ひゃ…ァァアア!」
「んっ!」

同時にナカに放たれる感触がして帝人もイったんだと分かった。ちょっと視界がチカチカしながら帝人を見ると目が合い幸せそうに笑う。俺も帝人と同じ気持ちで、同じように笑えばキスされた。

「帝人。俺、今凄く幸せ。」
「僕もだよ。愛してる。」
「あぁ、俺も。」




怖れていたのは

れてしまう関係】


だけど壊れてから始まる
幸せな時間が待っていた。



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切甘⇒ギャグ⇒甘と何段階シチュが変わるんだwでも全体的に甘すぎる。桃色オーラが飛びすぎだ!
フリリク19つ目、匿名様の『裏。鈍い正臣。』でした。襲われていることに気付かない鈍ちん正臣でしたが…どうだろうか?
企画参加ありがとうございました!





あきゅろす。
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