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今日も平和だな。(静→正←帝)
※キャラ崩壊注意報。



あぁ、今日もいい天気だ!さぁ、ナンパに行こう!そう意気込んで帝人の手を引いて南池袋公園に来たまでは良かった。噴水の近くでナンパをしていると、聞き覚えのある怒声。

「な、なん」
「正臣、危ない!」

ビックリして動きを止めると帝人の叫び声。指差す方を見れば、へ、ベンチ?!
文字通りベンチが飛んできました、はい。
だが、しかし、俺の瞬発力を舐めてもらっては困る!俺は瞬時に、華麗に!…避ける筈が噴水の縁に足を取られて盛大にコケた。

「うわぁぁああ!」
「正臣?!」

盛大に水しぶきを立てて俺は噴水へイン☆当然のことながらびしょ濡れで、濡れて肌に引っ付く服が気持ち悪い。しかもコケた時にぶつけた腰が痛い。
最悪だ、と思いながら噴水から上がると大きな影。え…まさかとは思うけど。
ちらりと帝人を見ればいやーな笑顔。困ったような、焦ったような。おい、目を合わせろ、友人よ!
そっと日を遮る影に視線を戻せばバーテンさん。

「紀田、」
「し…ずお、さん?」

予想通りそこにいたのは平和島静雄。この俺を噴水へ押し込んでくれたお方だ。
そっと手が伸びてきて、殴られる!そう思った、いや、なんとなく。ビクッと肩を竦めると手の平は頬を包み頬にまで飛んだ飛沫を拭ってくれた。そのまま腕を掴まれ噴水から引き上げられる。

「悪い。」
「…え、あ…っと大丈夫っすよ。帝人ー?お前ん家寄らしてくれ、このままじゃ風邪引く。」
「あ、うん。お風呂もいる?」
「あぁ、」
「紀田。」
「?」

謝れ、少し面を食らうもまぁ、事故だし、しゃーない。笑顔で返答した後、帝人に振り返り話してると静雄さんにまた呼ばれた。まだ何か用があっただろうかと首を傾げていれば困ったような表情。この人のこんな顔初めて見た。新鮮だ、と感じながら次の言葉を待つ。

「詫びだ、家で風呂入ってけ。」
「はい……はい?」

思わず返事をしたけど今なんて?家へ御招待?キャ、正臣恥ずかしいvじゃなくて、静雄さんの家に…?

「あ、いや、そこまでは大丈夫っすよ。帝人ん家の借りま…クシュン!」

事故なわけだし、そこまでは悪いと思い断るが、夏に入りかけだと言えど濡れた体は冷える、思わずくしゃみをしてしまう。すればもう、有無を言わせないと言うように腕を掴まれ、ハイ、強制連行。
後ろから「正臣!」と帝人がついて来るのが見える。
帝人、俺は先に旅立つよ。グッバイ、親友。


なんて、ちょっとだけ生きて帰れるかな、と不安もあったが無事静雄さんの家に着いた。途中ごみ箱と自販機とガードレールが犠牲になったけど俺は無事に、家に辿り着いた。ちなみに犠牲になった理由は馬鹿なやんちゃくんが俺の姿をからかって静雄さんが怒ったから。馬鹿め!これは静雄さんが原因なんだ、つまり俺をからかう=静雄さんに喧嘩売るということなんだぞ!

「風呂場はこっちだ。」
「ありがとうございます。」

家に着いて玄関先で一度待たされ、静雄さんが中へ入っていく。暫くもしない内に戻ってきて乾いたタオルを渡された。とりあえず顔と髪を拭いておくが全身濡れてるからな、意味ない気がしていると静雄さんも同じ意見なんだろう、上がるように促した後風呂場へ案内された。

「んじゃ、ちょっと風呂借りてくっから、帝人は静雄さんとごゆっくり。」

脱衣所に入る前にひょっこり顔を出して後ろからついて来た帝人に声を掛けてから中に入った。にしてもなんで帝人までついて来たんだ?確かにナンパへ連れ出したのは俺だけど先に帰っててもいいもんだけどな。
そう思いながら俺は服を脱ぎ、浴室へと入っていった。


「静雄さん、正臣を家に連れ込んでどうするつもりですか?」
「どうもしねーよ。ただあのままじゃ風邪引くだろ。」
「なら僕の家でも良かったんですよ。始めはそのつもりだったわけですし。」
「俺が原因なのに放っておけるか。」
「正臣は大丈夫と断っていました。それを無理矢理、というのはどうでしょう?」
「早いほうがいいと思った。そんでいいじゃねーか。」

俺が風呂に入っている間そんな会話をしていたとかしていないとか。風呂から上がり、帝人と静雄さんがいるリビングに入るとなーんか、冷たい空気。俺、入るタイミング間違えただろうか。と思っていると俺に気付いた二人は驚いた顔をした。

「な、正臣!その格好なに?!」
「紀田っ!ちゃんと下も渡しただろ?!」

と俺の格好に感想をくれた。やっぱアウトか…。そう思いつつ静雄さんに借りたかなり大きいシャツを見る。ちなみに下は穿いてない。だって悔しいことに大きくてずり落ちる。だからウケ狙いで裸にだぶだぶなシャツ☆を狙ったが不評なようだ。まぁ男がしても萌えるわけがない。萌えてもらってもそれはそれで困るけれど。
さて、ダメ元でズボンを穿いてくるかと脱衣所に戻ろうとすると静雄さんに腕を掴まれる。
え…そこまでお怒りですか、平和島静雄さん。すみません、もうジョークは止めます。
睨むように見つめられ、ちょーっと今までのことが蘇る。あ、これが走馬灯?
そんなことを考えていると引っ張られ後ろから抱きしめられる形で座らされた。あ、温かい。

「それじゃ結局風邪引くだろ。」
「え、あ…ありがとうございます?」
「静雄さん!」

確かに少しスースーすると思いながら、動けないのでこの体勢に甘えることにした。そうしてると帝人が何が不満なのか、静雄さんに軽く喧嘩、売ってないか、それ?早くも友人の冥福を祈っていると俺にギュッと抱き着いてきた。…何がしたいんだ、この友人は。

「帝人まで…どうしたいんだ。」
「正臣が馬鹿だから悪い。」
「Σいや、それ答えになってねーし!」
「馬鹿つーより鈍い。」
「そうですね、ハァ。」

いや、そこで明らかにため息をつくな!確かに避け損ねて噴水にドボンしたが!
あぁもういい、拗ねてやる。
未だにあぁだ、こうだと俺をイジめる帝人と静雄さんを放って目を閉じた。

そのまま眠ってしまったようで目を覚ましたら寝る前と代わらぬ状態。
後ろから静雄さんに抱きしめられ、隣には帝人がもたれていて。
日が落ちる空を眺めて、


【今日も平和だな。】

いつまでも続いて欲しいと願う。


‐‐‐‐‐
フリリク14つ目折り返し!は匿名様の『静雄→正臣←帝人。ほのぼの。』でした。前半帝人が空気なんて言わないで!
そして正臣の壊れっぷり、直す気ないです←
とりあえず噴水にドボンな正臣と、裸にシャツな正臣と、後ろからは静ちゃんに隣は帝人に抱きしめられる正臣を書きたかっただけ。
企画参加ありがとうございました!




あきゅろす。
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