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兎の皮を被った狼さん(静正←帝)

ああ、気に食わねぇ。ムカつく苛立つ。自分でも思ってっほど多分苛立っているだろう。証拠に隣にいる紀田と竜ヶ峰が怯えている。
つーか苛立たない方がおかしいだろ。

「し、静雄さん?」

やりきれない燻りを髪を掻き上げ気を紛らしてると恐る恐る掛かる声にその発信源を見つめた。目が合った紀田はビクリと過剰な程に体を跳ねさせ困った表情を浮かべている。
小声で竜ヶ峰に「え、俺何かした?」と泣きついているのが聞こえた。ちげーよ、と思うが案外間違えでもない。
なんせ

「なぁ、紀田。首の赤いのどうした?」
「え?」
「あ、本当だ。正臣ここ赤いよ。虫にでも刺された?」

白い肌に咲く真っ赤な所有痕。ガキのこいつらには直ぐには何か分からないらしく紀田と竜ヶ峰があの時の?とか話してやがる。
話では体育の時間だとか昨日窓を開けっ放しにしていただのと聞こえてきたが、どう考えても虫刺されなんて軽いもんじゃねぇ。
いや、ある意味蟲か。アイツは。

「ん…?」
「…気ぃ付けろよ。」

無防備な紀田の首筋に手を添える。擽ったそうに肩を竦めて俺を見つめた後、紀田はニッコリ嬉しそうに笑った。

「大丈夫ですよ。こんなの放っておけば治りますし。」
「…」

あのノミ蟲に気をつけろって意味だったがソレが何なのか、いや、虫刺されだと思っているコイツには伝わらねぇらしい。こう言う時、コイツの鈍さに心配と苛立ちが募る。分かってねぇ、自分が周りにどう思われてんのか。

「…ちーと殺ってくる。」

こいつに注意を促すより元を絶った方が早そうだ。軽く伸びをしながら立ち上がり紀田を見れば、予想通り事の状況把握の済んでない紀田はキョトンとしている。

「いってらっしゃい。静雄さん。正臣は私が守るのでごゆっくり。」

自然な動作で竜ヶ峰が紀田に抱き着き、紀田に見えない様に怪しく笑う。
まさか…

「帝人、動きずらい。つか、お前に守られるって俺どんなけひ弱ちゃんだよ。」
「鈍い正臣は仕方がないよ。」
「いや、鈍いって…俺だって結構俊敏だぞ?」

やっぱり意味の分かってない、つか取り違えている紀田に、そういう意味で言っているであろう竜ヶ峰。
ジッと睨む様に竜ヶ峰を見てやれば目が合いキョトンとした。思い過ごしかと思ったが一瞬深めた笑みに予想が核心へと変わる。

「うわっ静雄さん?!」

いつまでも抱き着かれたままの紀田の腕を掴み引き寄せ腕の中に閉じ込める。

とんだ伏兵がいたものだ。

「手前にも渡さねぇよ。」

そうして竜ヶ峰に見せ付けるように、紀田にキスをした。





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嫉妬すれば静ちゃんは周りが見えないといい!鈍ちん正臣ですが一応静ちゃんとは付き合ってます。
フリリク二桁目、10こ目はリズ様リクエスト『←臨也or帝人。静雄の嫉妬。』です。
ちなみにキスマークは帝人が寝ている正臣に付けました+そして静ちゃんは始め臨也が付けたと思ってました。
本当はもうちょっと(正臣的には)友達とじゃれあう幼なじみ二人を入れたかったのですがうまくいかず…(涙)
ではリズ様のみお持ち帰り、書き直し、苦情等を受け付けております。企画参加有難うございます!





あきゅろす。
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