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想いはだだ漏れ。だがしかし、(静→正←幽)

※DVD3巻特典外伝小説、『みんなはなかよし4月』のネタバレアリ




「あ、静雄さん。」

幽と歩いてっと呼ばれる声に振り向いた。人混みを分けて走ってくるその姿に自然と笑みが零れる。

「よう、紀田。」
「今日お仕事休みーって、羽島幽平?!」

近くまで来てそこで俺の隣を歩いている人物に気付いたらしく大袈裟とばかりに驚いた表情を浮かべて幽の芸名を叫ぶ。そいやーコイツには言って無かったか。

「紀田には話して無かったか。平和島幽、俺の弟だ。」
「兄が世話になっています。キダグェさん。」

幽の頭に手を置いて軽い紹介をしていると幽が緩く礼をした。つーか『キダグェ』?何のことだと首を傾げてっと紀田には心当たりがあるらしく顔を真っ赤にして手を振った。

「いや、あれは違くて、くそー帝人の奴…。俺は紀田正臣!羽島幽平の終生のライバルだ!」

顔を真っ赤にしたかと思えば恨めしげによくつるんでる少年の名前を呟き、コホンと咳ばらい。いつものノリを取り戻したかのように幽に指を指し宣言する。
幽のライバル?どういう意味だ?幽も意味が分かっていないようで表面上は無表情だが良く見ればキョトンとしている。つまり紀田が勘違いか勝手に言ってるつーことか?

「あー紀田、今帰りか?」
「あ、そうです。帝人と一緒だったんっすけど…まぁ邪魔者は退散ってわけで。」

詳しく聞く気もねーし、暇してんならメシでもどうかと聞こうと口を開けば苦笑浮かべて先程まで一緒だったと言う友人の話をする。簡単に言えば恋の応援らしい。コイツらしいと笑みを深めては頭を撫でてやる。

「…静雄さん?」

前置きもなく頭を撫でたからか不思議そうに俺を見つめてくる瞳にやっぱり可愛いと内心呟いた。人の事には聡いが自分の事にはまるっきり気付かないよな、と思いつつ、

「どうだ、一緒にメシでも。」
「え、いや、弟さんと一緒なのに悪いっす。」
「気にするな、コイツとは丁度会っただけですぐ仕事に戻るらしいっから。」
「マネージャーが来るまでは暇。」
「…幽?」
「何、兄さん?」

さっき仕事中とか話してた気がすんだけど、どういう訳か幽は違う事を呟いた。詳細を尋ねるように睨むが無表情に首を傾げられちとイラついた。

「えっと…」
「冗談。そろそろ時間。じゃあ兄さん、ごゆっくり。」
「あ、ああ……あ?」

困った表情を浮かべる紀田に変わらぬ表情で手の平を返す弟。
小さな声で『今日は兄さんに譲ってあげる。』と呟かれどういうつもりだと去っていく幽を見つめるがすぐに取り巻きやらスタッフやらが駆け付け姿が掻き消える。また今度聞くか、と自己完結させてから紀田を見た。

「で、どーする?」
「…なら一緒させてもらいます。」

控えめな言い方に頬を掻きながらまた頭に手を置く。癖、つーかついついやっちまうんだよな。などと考えながら紀田を見ると照れているのか俯き加減。

「さて、何食いに行くか?サイモンとこで寿司でも食うか?」

にしても、アイツにはバレてるってことか?



【想いはだだ漏れ。だがしかし、】



‐‐‐‐‐‐
『兄さんには負けない』とか幽くんに言わせたかっただけの話。(言ってないけど)
フリリク7つ目の日向様リク、『平和島兄弟×正臣。ほのぼの。』
果たして×なのか…。いや"やじるし"です。
幽正……いい、ですよね!外伝小説で何気ーに接点があると知り萌えました。
日向様のみお持ち帰り、書き直し、苦情等受け付けています。



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