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ずっと続けばいいこの幸せ(帝→正?)

※小学生帝人、正臣。


今日は正臣が泊まりにくる。毎日学校で会っているけれど家で会うのはまた別の楽しみがある。
学校で色んな『冒険』や『探検』、『ごっこ遊び』も楽しいし、人なつっこい正臣の周りには色んな人が集まる。けれど、たまには二人で居たいななんて思うのはなんでだろう。
そんなことを考えていると玄関のチャイムの音が聞こえて僕は部屋から飛び出した。この時間に来るのは正臣しかいない。

『今日帝人ん家、親居ねーだろ?泊まりにいくから。18時に帝人ん家な?』

と今日の学校の休み時間、半ば強引に決められたから。
駆け足で階段を降りて玄関へと向かう。そっと鍵の施錠を解いてドアを開ける。しかしその隙間から見える光景には誰もいない。悪戯なのかともう少し開けて身を乗り出して確認してみるといきなりドアを掴まれ無理矢理開けさせされた。

「?!」

泥棒。それが真っ先に頭に浮かんだ。正臣、助けて、と何度も頭の中で友人に助けを呼びながらドアを一生懸命閉めようとした。すると小さな笑い声が聞こえて、しかもそれが聞き覚えのある声だと気付くとそっと再びドアを開ければドアの死角にいる正臣に恐怖なんて何処かに行ってしまった。寧ろ怒りが沸く。

「正臣!」
「いや、悪い…。だって2、3日親居ないだろ?こうも無用心に開けるのはよくないぞって…あぁ悪いって、だから泣くな。」
「泣いてない!」

確かに視界が不鮮明で正臣の顔がぼやけているけどさ。泣いてなんかない。こんな位で泣くもんか。
きっと正臣を睨んでいると頭を撫でられた。怒っているのに非を認めているからこれ以上怒れない。もどかしさを感じながら「ほら入って。」と中へと案内した。
何度も来たことがあるから案内なしに正臣は真っ直ぐ僕の部屋に向かう。そういえばご飯とかどうするつもりなんだろう、僕の分は今晩は作り置きの、明日から帰ってくるまでは弁当を買いなさいってお金を渡されている。勿論親は正臣が来ることかなんてしらないから正臣の分が用意してあるわけなく。

「正臣、ご飯はどうするの?」
「ん、ほら、買ってきた。」

その疑問を純粋にぶつければ持っていた荷物の中からコンビニの袋を見せてくれた。準備がいいというか抜かりないというか。友人の行動力に少しばかり感嘆と呆れを覚えつつ「ならご飯にしよう?」と正臣をダイニングへと誘った。

それからおかずを分け合いっこしてお風呂に正臣を押し込んだ。

『一緒に入らないのか?』

と言う誘いは無視をして。
部屋でお風呂から上がってくる正臣を待ちながら以前正臣が貸してくれた漫画を手にとる。暫く読み耽っていると一階から物音。そろそろ正臣がお風呂から上がったころだろうかと寝そべっていた体を起こして着替えの用意をした。
そうしているうちに部屋のドアが開いた。

「あ、正臣。お帰り…って…何、その格好。」

湯に当たり軽く頬を紅葉させ、黄色い寝巻に身を包む友人。だけれど普通の寝巻じゃなくって今女の子とかの間で話題になっている着ぐるみパジャマ。キャラクターは某電気ネズミ。

「可愛いだろ?」
「…っ」

笑顔でポーズを取るその姿にドキッとしてしまい直ぐに顔を背けた。早まる鼓動の理由がわからないまま

「じゃ、お風呂行ってくる。」

とだけ返して部屋を急いで出た。なんで顔が熱いんだろう。


そのまま漫画読んだりゲームをしたり、適当に過ごした後、二人で布団に潜る。
ここからは俺の時間だ!というように正臣が話掛けてくる。眠いのに。

「なぁ、帝人?好きな人とかいるか?」
「え…いないよ。………正臣は?」
「俺?知りたいか?知りたいのか?」
「う、うん。そうまで言われると気になる。」

是とも非とも答えはしないけれど、まるでいるかのようなそぶりの言い方に少しだけ目が醒めてしまった。どうなんだろう、凄い気になる。

「実はな…?」
「う、ん。」
「まだなんだよなー。ナンパはしてんだけど。」
「ナンパって正臣…。」

真剣な表情から一転笑顔を作る友人に心底安心した。だってまだ正臣は僕のなんだとわかって。

「ねぇ、正臣?」
「ん?」
「ずっと一緒だよ?」
「当たり前だろ!」

それからたわいもない話を続けてどちらが先と言うわけもなく寝落ちた。
この数ヶ月後、正臣が東京へ引っ越すことに一人泣いて、そして4年後の再会に喜んで唐突な別れに心を痛めることに、僕はまだ知らない。



【ずっとけばいいこの幸せ】



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9000Hit&相互御礼小説として澪歌様におし…贈ります、小学生帝正!
帝人が覚醒とか好きだと自覚してないと正帝に見えるなんて思っちゃダメです。
茶会でお話した方ということもあり着ぐるみパジャマな正臣のネタを使わせてもらいました。あまり全面に出てませんが…。

澪歌様、キリ番報告と相互ありがとうございました!
澪歌様のみお持ち帰り、苦情、書き直し受け付けます。





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