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素直になろう!(正帝)
※9巻ネタバレ、内容引用あり。














どうしてこうなってしまったのだろう。
僕はただ非日常に憧れていただけなのに。
だけどもう要らない。
正臣がいない非日常(日常)なんていらないから、だから帰して欲しい。
だから僕は日常を取り戻すんだ。



♂♀




内緒モード 田中太郎【甘楽さん、ていうか、折原さんだけに見えるようにしています】
内緒モード 田中太郎【今、色々な事をやっています】
内緒モード 田中太郎【僕の意思でやってる事を、せめて折原さんには知ってて欲しくて】
内緒モード 田中太郎【正直、怖いんです】
内緒モード 田中太郎【僕の今の気持ちを、自分以外の目にも触れる形で残したくて……】
内緒モード 田中太郎【僕は、日常にしがみつきたくなったんです】
内緒モード 田中太郎【園原さんや正臣と、前みたいな日常を送りたいんです】


バキュラさんが入室されました。



バキュラ【こんにちは】
バキュラ【田中太郎さん、】
バキュラ【暫くこれなくなるって残念です】
バキュラ【またお話ししましょう】

内緒モード バキュラ【帝人、】
内緒モード バキュラ【こないだの事なら、】
内緒モード バキュラ【俺は気にしてない】
内緒モード バキュラ【お前や杏里からしたら、】
内緒モード バキュラ【急に姿を消した俺の方に納得していないと思う】
内緒モード バキュラ【だけど、】
内緒モード バキュラ【言っておきたい事があるんだ】


田中太郎【こんにちは、バキュラさん】
田中太郎【それでは】



田中太郎さんが退室されました。



内緒モード バキュラ【帝人】
内緒モード バキュラ【一度連絡が取りたいんだ、】
内緒モード バキュラ【話してくれる気になったらここで俺宛にレスをくれ】
内緒モード バキュラ【電話する】



バキュラさんが退室されました。



♂♀




僕は正臣のいる日常を取り戻すんだ。あの日を取り戻す為に僕はダラーズを…。
PCに映る数分前のチャットルーム。一瞬見えたバキュラというHN。
正臣が僕に話し掛けていた。なんて書いたんだろう。
見てしまえば後戻り出来ない気がしている。
でも…そこに正臣がいる。求め続けた正臣が。




♂♀




チャットルームには誰もいません。
チャットルームには誰も
いません。



田中太郎さんが入室されました。



♂♀




見るだけなら…正臣が来る前に退室してしまおうと一瞬だけ通り過ぎることにした。
そこで目の当たりにする事実。
迷う、ここで正臣宛にレスをすれば求めていた正臣がそこに、
でも今はまだ、でも正臣が、でもダラーズが、でもここに、

迷う思いと動く手。
身体は知っている、僕がどうしたいかを。




♂♀



内緒モード 田中太郎【正臣、】


バキュラさんが入室されました。


内緒モード 田中太郎【会いたいよ!】



♂♀



綴る本心。すぐに正臣が見るとは思わなかった。
けど、ログを見れば正臣の名前。
そして乱暴に開かれた部屋の扉に驚き振り向き見れば、

「ただいま」

半年前と変わらぬ笑顔で立っている求め続けた姿。

「正臣……」
「待たせたな。」
「正臣!」

その姿に求め続けた彼に僕は飛び付いた。
久しぶりに触れる温もりはとても優しく何も変わらないあの日のままのものだった。






僕らは半年ぶりに再会を果たした。
初めからこうすればよかったんだ。
初めから…。




初めから、
素直になれば


しがらみとか建前とか願いとか希望とか
全て後回しにして、
初めから自分がどうしたいか







【素直になろう!】










‐‐‐‐‐‐
チャットルームであそこで帝人が正臣にレスすればきっと電話じゃなく飛んでくるんだと思ったんだ。きっと部屋の外で待機してたんだ。
帝人はどっちも本心だけど目的や願いと手段が違うことに気付いてないんだよね。
早く幸せになって欲しくて矛盾気にせずハピエンにしてみた。





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