壊れるまであと、(静正)
『正臣君』
「は……っ………!」
あ、れ、………息の仕方ってどうすんだっけ。
苦しい…上手く息が出来ない……。
『正臣君。愛してるよ。』
『君だけを愛してる。』
『君は俺のものなんだよ。』
『愛してる』
『愛してる』
『愛してる』
『愛してる』
『バイバイ、正臣君。』
「あ゙ー!!」
「正臣!」
「しずお……さ、ん………?」
頭を駆け巡る幾つもの愛の囁き。最後はいつも変わらず別れの言葉。
未だに引きずっているんだと囚われているんだと思い知らされる。
俺の声を聞いて駆け付けた静雄さんに抱き着き落ち着きを取り戻そうとするけれど上手く息が出来ない。
吸っているのか吐いているのかどうしたらいいのか分からない。喉が空気を受け付けないみたいだ。
静雄さんに抱きしめられ、背中を優しく撫でられて俺はやっと呼吸の仕方を思い出す。
大きく深呼吸を何度かして落ち着いたころ俺は顔を上げて静雄さんを見る。
「すみま…ん……も……、大丈夫…っ、す。」
いつまでも世話になるのは迷惑だと離れようとすると逆に引き寄せられて力強く抱きしめられる。
「またか?」
「………はい。」
「なら気が済むまで居てやるから遠慮すんな。」
「………ありがと……ございま、す。」
臨也さんに捨てられたあの日から繰り返し見る悪夢。寝ているいない関わらず俺を侵すその夢は静雄さんと付き合い始めてからも無くなることは無かった。
夢に蝕まれる度静雄さんの温もりに頼り甘えている。
ごめんなさい、弱い俺で。
愛してます、静雄さん。
だからどうか捨てないで。
「静雄さ、ん。」
「大丈夫だ、俺がいる。」
「はい………」
今はこの思いが単なる淋しさを埋めるものからくるものだとしても、きっと俺は貴方を愛してます。
いつかは愛に変えますから。
どうかそれまで俺を愛して下さい。
‐‐‐‐‐
こういう事を思うから病んでるとか言われるんだろうなぁ。夜勤初日は確かに病み気味だけど。
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