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侵略者は突然にY
※捏造あり。




津軽暴走と同時刻。




「うん、順調に君の罪歌は抑えられているよ。治療出来ないのが心苦しいけれど…」
「そんな…こうやって診てくれるだけでも嬉しいです。」
「…まだ学天くんやリンダくんには」
「話してません。」

起動初期にウィルスに罹った私は沢山の人に迷惑を掛け、今ここにいる。
その時傍に居てくれたダイ羅さんとルージュさんのおかげで私はこうして笑っていられるのだ。

『きっとあの子達なら大丈夫だよ。』

肩を叩かれ振り向けばルージュさんがいた。浮かぶ文字を読み上げながらそうであればいいと微笑む。
すると頭に入ってくる映像に目を見開いた。
津軽さんとリンダくんが……闘ってい、る?!
なんで…どうして…!

「あ、時かけちゃ…」
『時かけちゃん?』

頭を抱え意識を集中する。罪歌に侵された事で手に入れた力。不定期的にいきなり違う場所の映像が見れるという…意識すれば自分で見たい場所も変えられる。
一方的に殴る蹴るを繰り返す津軽さんと防御すら間に合わないリンダくん。
そして……

「許さない…。」

その光景を楽しげに見つめている一つの影。
いつの間にか具現化した一降りの刀、罪歌を手にしながら私は駆け出した。
後ろから心配して声を掛けてくれる二人の声に気付かぬまま。



追い掛けてきてくれた二人に見えた光景を話すとルージュさんが馬車をインストールし、乗せてくれる。
走るよりも早くリンダくん達が闘っている場所に到着するが何がどうなっているのか分からず思わず立ちすくんでしまった。
リンダくんと津軽さんだけではなくサイケさんや学天くんも戦っている。
そして双方を楽しげに傍観する男。

「また派手にやってるね。…サイケ達の方はルージュに任せて僕等は津軽の方に行こうか。」
「え…」
「あそこに介入出来るのは彼女ぐらいだよ。」
『大丈夫。だから時かけちゃんはリンダくん達をお願いね?』
「あぁルージュ。でも多分君が加勢すべきはきっとサイケや学天くんじゃないと思うよ。」
『?』
「彼らもまた、相当ブチ切れるみたいだから。」

元凶であろう男に駆け寄ろうとする手前でダイ羅さんに止められ首を傾げた。
彼らの会話に納得するとそのままリンダくん達に駆け寄った。
そこは既に事が一通り終わっているらしく、戦闘は終わっていた。
ツパチンさんも来ていた様で金髪の男の人と今度はその二人で闘いが始まる寸前だった。しかし踵を返した男の人は血相を変えて私の横を通り過ぎていった。

「全く一体どうなって……時かけじゃないか。どうしてここに…?」
「あ…えっと…」

私に気付いたツパチンさんが尋ねてくる。罪歌の力の事を言うわけには流石に行かず言い困っていると追い付いたダイ羅さんが助け舟を出してくれた。

「静雄が新羅に津軽の様子が可笑しいからって電話してきたんだよ。はいはーい、ちょっと見るから…あれ、愛されてるね。」
「ダイ羅…さ、ん…。」

嘘まで付かせてしまい悪いと思いながらリンダくん達を見ればリンダくんは守らるように津軽さんに抱きしめられていた。
その腕の中で困惑し、今にも泣きそうなリンダくんを見て、さっきの男への怒りが沸く。

「津軽が…動かなくなって……でも……さっき……」
「んー?どういうこと?」

意識が後方へと流れていた所にリンダくんの言葉に私も首を傾げた。
様子から見ればさっきの金髪の人から津軽さんがリンダくんを守っていたのだと思ったけれど…。
ダイ羅さんも同じ事を考えていたらしく要領を得ないという表情で首を傾げながら津軽さんを診ていた。そうしている内にリンダくんの言いたい事が分かったらしく頷いていた。

「あぁ、そうか。今の津軽は強制終了モードなんだね。確かにこれは普通なら動ける筈はない。うん、やっぱり愛の力だよ。君のピンチに動ける筈のない津軽が君を守る様に動いた!まさし」
「それで、治るのか?」
「治るよ。強制終了モードを解いてやればいいんだ。」

ダイ羅さんの説明を聞いて津軽さんの状況が分かったことで安心するリンダくん。よかったと私も息をついていると続けられる言葉に目を見開いた。

「だけど僕には無理かな。複雑にパスワードやらロックやら掛かっていて僕にはお手上げだよ。多分津軽自身にも解除は無理だろうね。」
「…そ…ん、な……」
「そんな絶望的な顔をしなくても大丈夫だよ。僕には無理だけど学天くんやサイケの情報処理ならきっと解いてくれる。無理なら臨也あたりに頼めば確実かな。」

今度こそ安心仕切った表情で津軽さんに抱き着くリンダくんは今度はそれまで自分が守ると言うかの様だった。

「しかし問題はあの二人をどう連れてくるかじゃねぇのか?」

黙って聞いていたツパチンさんがちらりと未だ爆音、爆煙が立ち込め、縫いぐるみが行き来している話題の二人が戦っている所を見つめる。
確かに声をかける隙もなければあの場に行くのでさえ危ない。

「あぁ、大丈夫だよ。あそこには彼女が何とかしてくれるから。」






♂♀







サイケと学天が戦っているフィールドに突き刺さる一つの大鎌。
そして、投げられたらしく滑り込んでくるステレオ。


『………』

漆黒のドレスをはためかせた首なし婦人と

「……」

白いスーツに標識を担いだ男性。


新たな闖入者に学天もサイケも日々也も驚きを隠せず、全ての動作が停止した。


流れる沈黙を破るのは



「手前ら全員ぶっ殺す…っ!」


サイケデリック静雄の怒鳴り声。



その声に日々也は儚げに微笑んた。











‐‐‐‐‐‐
長さの関係でサイケvs学天側がログアウトしました。
さぁ、全員出すぞぉ!で問題が一つ…セルティこと「ルージュの伝言」がまだ発売公開されていないこと…全てにおいて捏造ですから、うん。
設定とかも考えていたら色々楽しくなった時かけちゃん……だから長くなったんだよ。

さて……続き続き……続きはログアウトしましt……じょ、冗談っすから!



あきゅろす。
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