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侵略者は突然にX



俺と同じ顔をした青い奴のために戦う黄色い少年。
それに対して俺はどうして戦う?
理由は簡単だ。日々也のため。日々也が望むから。俺は日々也のために行動する。
でも、どうしてだろうか。すごく虚しくなる。
日々也が臨んだことなのに、日々也の為なのに。

「どうして俺は戦うんだ?」
「?!」
「日々也…」

歪む視界。俺の存在理由は日々也のため。あいつの命令に背くのは俺の存在を否定することだというのに俺はこいつらを壊したくない。
ただ日々也のターゲットにされただけの哀れな唄ロイド。日々也の暇潰しに選ばれた不運な唄ロイド。
いっそう、俺が壊されたほうがいいんじゃないだろうか。

「…手前は何のために戦う。」

気付いたら、間合いが詰められ首に食い込むバール。
睨み恨まれている目で見られ、問われた言葉の返答に困る。
答えは簡単なのに。

「日々也の為だ。」

そう、俺は日々也が望むから、あいつの思うままの世界を作りたい。
だから、俺は壊すんだ。日々也が飽きた玩具を壊すんだ。
きっと壊してしまえばこんな気持ちもなくなるだろう。
首筋に当てられたバールを掴んでひねり折る。そのまま奪い取ると投げ捨てた。

「!」

優位にいたところからの逆転。焦るリンダリンダの隙をついてさっきまで防御のみに使っていたステレオを振り上げる。
あとはこれを振り下ろしリンダリンダを壊した後に津軽海峡を壊せば日々也の望みは達成される。
諦めないリンダリンダの睨みを受けながら俺は目を閉じた。

「おっと。それはさせねぇぜ?」
「!?」
「つ…ツパチン!」

振り下ろそう、そう思った瞬間掛かる声と掴まれる腕。そのまま動きを封じるように腕を締め上げられ、手に力が入らずステレオを落としてしまう。
視線だけを向けると知らない唄ロイド。
赤いシャツに学ラン。リンダリンダはツパチンと言っていたが知り合いか…?

「まぁ…そのくらいに…っとあぶねぇ。」

手が封じられたならと、足蹴りを食らわす。少し手をひねり痛みが走るがどうでもいい。俺は日々也の望みを叶えるだけだ。
しかしやはり無理な体勢からもあってすんなりよけられてしまう。
だが、自由になればいいだけだ。
解放された隙に標識をインストールし構えた。

「日々也の邪魔をする奴は…俺が叩き殺す!!」

それが俺の望みで俺の存在意義。
日々也に必要とされることだけが俺のすべてだから。

「しかしいいのか…?その手前の王子様…ピンチだぜ?」
  




♂♀





うん、やっぱり来たね。学天くん。
予定通りで嬉しいけど…ちょっとだけ予想外だよ。君はマスターと同じで予想を簡単に超えてくれる。…だから愉しいんだよ!

「うさちゃん、くまちゃん、ねこちゃんにおまけにわんちゃん!」

俺と学天くんのスペックは大体似ているから後は駆け引きやタイミング、あとは…体力かな?
掛け声と共にぬいぐるみの彼らを構成していく。しかし普通のぬいぐるみを構成したって勝てるわけない。人の何倍の大きさに構築する。踏み潰してあげる。大丈夫、壊れることはないけど…その代りかなり痛いから。
四方八方から攻めるけど学天くんの攻撃無効化プログラムは厄介なんだよね。まぁ、それも踏まえた攻撃ではあるけれど。
自己再生プログラムも載せ、無効化と自己再生の繰り返し。
それに…そのプログラムは手動でしょ?

「防御壁構成。攻撃無効プログラム90%維持…攻撃に移れない…。」
「くまちゃん。そのまま真上から、うさちゃんは真横。あとはサポート!」

さて、自動攻撃プログラムに移行して俺は俺の作業を進めようかな…。
学天君は俺と同じだから厄介で、同時に簡単に攻略しやすい。

「ねぇねぇ日々也。今からいうプログラム作れる?」

少し離れたところで見ている王子様に近寄ってにっこりほほ笑む。俺だけしか知らない計画を進めるために。

「唄ロイドを強制停止、初期化するプログラムなんだけどさ?」

さぁ、駒はもうすぐ揃う。

最後に笑うのは誰かって?
決まってる、この俺だよ。






‐‐‐‐‐
天使サイケどこ行った。捜索願出しておくか…。
次当たりで終わりにしたいけど……もう一つ書くかな。うん、多分あと2こで終わらせたい。




あきゅろす。
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