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侵略者は突然にW



津軽が動かなくなった。
津軽が喋らなくなった。
津軽が居なくなった。
津軽が津軽が津軽が津軽が津軽が津軽が津軽が津軽が津軽が津軽が津軽が津軽が津軽が津軽が津軽が津軽が津軽が津軽が

ど   
   に
        も
     な
  い



「つが…る……?」

俺には良く分からなかったけれど津軽が居た。さっきまで、俺を「愛してる」って俺の愛してる津軽がそこにいたのに……いきなり動きを止めたと思ったらそれ以降反応しなくなった。
暴走していた津軽も居なくなった。
全てにおいて津軽が居なくなってしまった。
津軽という容れ物はソコにあるのだけど津軽が居ない。
呼び掛けても揺さ振っても何の反応もしない。
嫌だ嫌だ嫌だっ津軽!

「津軽…津軽っ!」

サイケ…早く…早く…臨也さんならきっと理由が分かるはずだから…だから早く…早く津軽を治して…。
本来の姿に戻ったと言うかの様に人形の様に動かなくなった津軽を抱きしめサイケの帰りを待つ。

そうしていると現れた気配に視線を巡らせる。
何も無かった筈の空間から現れた一つの影。その姿は俺の腕の中にいる愛する人と似ていた。いや、鏡に映した様に全てが酷似している。

「リンダ。」

声も顔も服装も…でも、違う。津軽の瞳は深い海の色。目の前の『津軽』はビビット色のピンク。
ツガルジャナイ。デモツガルトオナジスガタ。ソウカ…

「手前が原因か……偽物野郎!」
「!」

驚いた顔までそっくりだ。だけど、津軽はそんないやらしく笑わない。
ストックしてあったバールをインストールする。現れたバールを強く強く握り締めると俺はニセモノに殴り掛かった。

「手前のせいで手前が津軽を!」

俺が殴り掛かるとそいつの服が変わる。サイケの様に白を基調にしピンクをアクセントにした服装。
頭目掛けて振り下ろしたバールを持っていたステレオに受け止められ弾かれる。
弾かれたまま勢い任せにまた殴り掛かるが子猫をあやす様にバールの切っ先が届く事はない。
くそっくそっ!俺じゃダメなのかよ!俺じゃ誰も守れないのかよ!
淡々と受け流すだけのニセモノ。俺なんて相手にならないってことかよっ!

「くそぉぉぉおおおお!」

悔しい悔しい…もっと力があればもっともっと…。

「―――。」
「!?」

相変わらず拮抗する力。受け流される攻撃。ただ体力だけが削られる行動の中、俺は目を見開いた。
どうして…なんで…どういうつもりなんだ…。

「何で…泣いてるんだよ?」

津軽と同じ顔で同じ様に涙を浮かべるニセモノ。
何が…どうなっているんだよ!





♂♀





「そろそろかな。」
「…何か言いました?」
「ううん。」

「――――。」

「!」


耳を突くような爆音。立ち上がる煙。
しかしその向こうにはしっかりと地に足を付けている陰。
あぁ、外してしまった。

「誰ですか?!」

煙が晴れれば覗く今回の目標(ターゲット)
サイケさんと瓜二つなアンノウン。
今回の元凶。

「ツパチンさん。彼ですか?」
「あぁ、奴の周りから異常プログラムが発信されている。」
「そうですか。分かりました。ならばツパチンさんはリンダと津軽さんを…ここには居ませんが時かけさんもお願いします。………久々にキレました。」
「程々にな。」

隣にいたツパチンさんに今回の原因を確かめる。彼はセキュリティに詳しいからエラーやバグに気付くのが一番早い。今回も異常なバグが発生し、それを対処するために呼ばれたけれど……なんでリンダが泣いているの?
泣かせたのは誰?なんて愚問でしたね…。このバグの原因、貴方なんでしょう?
ツパチンさんが去り際に何か言っていたがもう僕の脳には届かない。目標を発見し、駆逐に動いているから。

「目標分析。新型唄ロイド。中枢までバグを確認。増殖汚染中。」

かつては僕らと同じモノだったというのか。
…まぁ、そんなことは関係ない。
問題はリンダを泣かせたと言うこと。

「ミサイルを構成。50%完了…60…70…スタンバイ完了まで後5秒。照準…!?プログラム変更。攻撃から防御へ。」

あのアンノウンを排除するためプログラムを作り攻撃体勢に入っていると日が陰る。
それが徐々に範囲を広げていることに気付けば僕は瞬時に攻撃プログラムから防御プログラムに変更する。
攻撃無効化プログラム。
張ったシールドの接触点から敵の攻撃を無効化する。全て消える前に見えた攻撃に目を見張った。

「うさ…ぎ……」

ファンシーなうさぎの縫いぐるみ。この攻撃パターンには心当たりがある。

「サイケさん!」
「ダメだよ、学天くん。邪魔をしちゃ…さ?」

アンノウンの隣に佇む知り合い。
その笑みはまるで状況を楽しむかのようで。
僕の攻撃を尽く邪魔をする。

「今、とっても愉しいところなんだから。」
「いい子ですね。サイケ。」
「日々也は安全な所に避難しててね。きっと学天くん、……俺ごと君を潰す気だから。」

あぁ、もう面倒だ。

……リンダを泣かせる人は全員天国を見せてあげますね?







‐‐‐‐‐‐
学天よ…どこが天使だ天国だ!Ver帝人様(キレた学天)はきっと帝人様よりたち悪いんだぜ。止められるのリンダしか居ないんだぜ。
さぁ電脳天使大戦争の火蓋が切って落とされた!

続くのか?




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