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Merry X'mas to IZMS



賑やかだったクリスマスパーティーも終わり、シンッと静まる室内に何だか寂しさを覚えた。
ベッドに寝転がり携帯を操作して気を紛らわすが気休めにもならない。
時刻を確認して俺は深く息を吐いた。
もう22時か…。
いつもより早いけど寝てしまおうか。
上半身を少し起こしごみ箱に捨てられたパーティーの招待状を見て目を細めると半身を支えていた腕の力を抜く。そのままベッドへダイブを果たして目を閉じた。

それから10分もしないうちにコンコンと音がした。
なんの音だろうかと辺りを見渡し、窓から音がしている事に気付いてまどろんでいた頭も冴えきる。
な、なに…?
誰かが窓を叩いている様に規則正しくリズムを刻む音。だけどここは人が登れるほど低い階の部屋ではない。

「…?……―ん?」

泥棒かその類か。将又都市伝説の様な人ならざるモノか。
そんな考えが頭に浮かんでいると聞こえた声にビクリとした。しかしその声が何処か聞き覚えのある声で。
俺は恐る恐ると立ち上がり窓に近付くとカーテンを開けた。

「――――――!」

何て言っているのか分からなかったがそこに立っていたのはサンタさん。
いや、より正確に言うならサンタクロースの格好をした間抜けな情報屋だ。
目を丸くしていた俺は臨也さんの格好に盛大に吹き出した。
アンタ…少しは歳を考えろよ。
臨也さんを放置したまま笑っているとまたドンドンと窓を叩かれる。
あぁ開けるの忘れてた。
この寒空に良くやると思いながら鍵を開けると俺が窓を開ける前に臨也さんが開け、そのまま俺に抱き着いてきた。
うわ、冷たい。どんなけ外に居たんだよ。

「メリークリスマス、正臣君。」

でも本人は気にしていないようで楽しげに笑っている。
冷たい体を抱きしめてやりながら俺は呟いた。

「遅いですよ。」
「仕方がないでしょ。来る途中にシズちゃんに見付かっちゃったんだからさ。」

臨也さんに出した招待状には22時からと書いてあった。なのにもう半は軽く過ぎている。
時間にはしっかりしている臨也さんが時間までに連絡なしに来ないなんて普段なら有り得ない。
だからもう来てくれないんだと諦めていた。

「それで、君は俺抜きで何、皆でパーティーして楽しんでたの。」
「静雄さんも居たんですよ?俺の住む場所壊す気ですか。」
「なら俺と一緒に住めばいいじゃないか。」
「学校通い難いので遠慮します。」

それもいいかなと思ったのは内緒。だってあまり優しくするとすぐ調子に乗るんだ。
その代わりにギュッと抱きしめると顎を持ち上げられ、視線が合う。
サンタクロースなんて間抜けな格好をしているけれど、この人は悔しいことに何でもそつなく着こなしてしまう。

「それで俺へのクリスマスプレゼントはこの可愛いサンタさんでいいのかな?」
「え…あ…」

そういえば俺も、狩沢さんに貰ったサンタの格好のままだった。
プレゼントは…他に用意してあるけど、うん、それもいいや。
返事と言うように、臨也さんの形の良い唇に自らキスをした。











‐‐‐‐‐‐‐
臨正ルート。
クリスマスなのでいつもより甘い二人をお楽しみあれ!
というかこのルートを選ばない限り臨也のクリスマスはぼっちクリスマス…(笑)




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