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厳冬のち暖冬(帝正)



冬将軍も到来、寒い冬の朝。息を吐けば白く染まり頬を掠める風に身震いする。
こういう朝は昼過ぎまで布団に篭っていたいがさすがに学校があるから出来るはずもなく、マフラーを巻き手をポケットに入れて学校目指し歩いていると目の前に見慣れた姿が映った。


「みーかーどー♪」
「わっ正臣…おはよう。」
「んーやっぱりこういう寒い日は人肌だよなぁ。」
「ちょっと人で温まらないでよ。」

無防備な後ろ姿に抱き着いて頬を擦り寄せる。帝人も同じ環境下にいたので差ほど変わりはしないのだが、一人でいるよりは温かい。
うん、やっぱり人肌一番。
帝人に触れている部分からじんわり温かさを感じ更にぎゅーっと抱き着いた。
帝人も帝人で口では嫌がっているみたいだが抵抗もしないし、つか向き変えて抱き着いてくるから満更でもないんだろう。
抱きしめられて更に温かくなれば次第に緩み頬。
あぁずっとこうしていてぇ。

「帝人ー。温けぇ。」
「カイロもあるからね。ほら。」
「マジで?あー俺も帰り買っていこう。」

ごそごそと動く帝人がポケットから取り出したホッカイロ。
それを頬にあてられ程よい温もりになっているそれの心地好さに擦り寄った。
いる?、と聞かれたがそれでは帝人が寒いだろうと断っておく。
寒くなったらこうやって暖貰いに来ればいいし、こっちの方が俺は好き。

「なら温かくなるおまじないしてあげる。」
「?」

ぎゅーっと抱き着いていると不意にかけられた声に首を傾げた。
おまじないってお前は女子か。
そんな事を考えていると唇に触れる感触と間近に見える帝人の顔。
あ、キスされてる。
気付く頃にはペロリと唇を舐められ離れていった。
ちょ、おま…ここ校門って分かってるのかよ!
場所を思い出し急激に顔に集中する熱。
顔を真っ赤にしているのが見られたくなくて俺は帝人の肩に顔を埋めた。

「おまじない抜群だね。」
「帝人の馬鹿ぁ」

誰かに見られたらどうするんだよ。
幸いさっきより人いねぇけど!





【厳冬のち暖冬】






「紀田と竜ヶ峰?なにやってんの。」
「「滝口」くん」
「もうすぐチャイムなるけど大丈夫か?」
「え?」
「やべ、帝人!もう予鈴まで時間ねぇ!」
「あ、正臣!」

暫く帝人に抱き着いていると掛けられる声に顔をあげると滝口がいる。どうしたのかと見つめていると続けられる言葉に慌てて携帯で時間を確認すれば一気に現実に引き戻された気分だ。帝人の手を引いて俺らは急いで教室に駆け込んだ。









‐‐‐‐‐‐‐
寒い冬に帝正は如何でしょうか。
うん、なにこいつら、見てるこっちも幸せになるよ。早く結婚すればいいのに。
いつか呟に呟いていたネタ。




あきゅろす。
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