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ラストリボルバー(帝正←臨)
※ボカロ楽曲「最後のリボルバー」パロ。
【最期のリボルバー】の帝人視点。




ひらりと視界を雪が舞った。
恋人にいきなり呼び出された冬のこの日。
出会ったこの場所で今僕は、その恋人に拳銃を向けられている。
理由はわかっている。僕と彼とははじめから住む世界が違うんだ。
僕は彼らの『敵』で、彼は僕らの『敵』。
相容れない存在なんだ。僕たちがどう考えたって、僕らの上は気にも留めてもらえない。
だから、命令されたら従うしかないんだ。
そう、僕らは約束した。

「ごめん、帝人。」

だから謝らないで。わかっていたことだから。
だから泣かないで。他の誰でもない、君が来てくれたんだから。
だから、笑ってよ。笑顔を見せて?

僕が手本というようににっこりほほ笑めは君はさらに涙を浮かべる。
もう見てられなくて、それでは外してしまうよ。
近づき、泣く彼を慰めるように頬を流れる涙をぬぐう。もう片方の手で照準が誤らないようにしっかり胸に固定して。

「正臣、」

先に逝ってるね。待ってるから、君が約束を守ってくれることを。
でもね、本音を言うなら破ってもいいんだ。君が笑って幸せになってくれるなら破られても僕は構わない。ちょっとだけ淋しいけど。

カチリと撃鉄を起こす音が聞こえる。
視線を少し落とせば正臣の指は引き金にかかっていて。

「     。」

体を突き抜ける痛み。
力を抜けていく感覚。
最期の声、聞こえたかな。

最期に見た君は僕が見たかった笑顔。
やっぱり正臣は笑っているほうが素敵だよ。



♂♀




春にこの場所にいた彼に声を掛けた。
夏にいろんな場所に連れて行ってもらった。
秋に告白と告白をして身も心も一つになった。
そして冬に僕は…。



♂♀



あの時からわかっていた。いつかこんな日が来ることを。違いがあるなら、それは君が僕を、ではなく僕が君を、だっただろう。
どこで間違えちゃんたんだろうね、そんな選択肢すらない僕らの環境は、当然僕らの仲を許さない。
だから予め約束をしたんだ。

ずっと一緒に居ようね。



薄れゆく意識の中で新しく銃声が響いた。





‐ ‐ ‐ −
『最期のリボルバー』の帝人視点が見たいいうことで。
あまり話的には進んでませんが…多く追記したくない感じですね、この二人は。




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