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君を愛してる!(静正)



「静雄さーん!」
「…?」

往来の中から聞こえて来る元気な声。次の仕事に向かう途中だった俺とトムさんは揃って声がした方へ向く。

「静雄、先行ってるわ。」
「え…でも…」
「直ぐに追い付いてこりゃいいって。恋人は大事にな?」
「…ありがとうございます」

そこに見える満面の笑顔で走ってくる俺の恋人にトムさんは気を利かせて少しだが時間をくれる。
トムさんには紀田のこと恋人とは話した覚えないんだが…トムさんにはお見通しのようだ。トムさんすげぇ!
トムさんに尊敬の眼差しを向けて見送っていると視界の端に蜂蜜色が見えた。
視線を紀田に向けるとどこか膨らっ面で、何かあったのかと首を傾げる。
その行動が更に紀田の不機嫌を買った様で終いにはそっぽを向いてしまう。

「…紀田?」
「………」
「紀田?」
「………」

反応がない。怒っているようだ。
だけど心当たりがなくどうしたらいいか分からない。しかし時間も限られている。
機嫌取りつーのは何か違う気もするが、紀田をぎゅっと抱きしめた。

「何怒ってるか知らねぇけど機嫌直せよ。直ぐ仕事戻らねぇといけねぇんだし。」
「…静雄さん」
「ん?」

時間が限られているなら紀田の笑顔が見てぇ。紀田の元気な姿が見てぇ。
腕の中の紀田がもぞりと動いたかと思うと名前を呼ばれ紀田を見ると瞬間、紀田の顔がドアップになり、唇に触れる温もりに目を丸くした。

「元気補充。怒ってませんよ。でもよそ見ばっかりしていたら分かりませんが。」

悪戯が成功した様な笑みが浮かびいつもの紀田に戻っている。もしかしてトムさんに気を取られていたことを言っているのか?
トムさんは上司で先輩で、紀田は恋人で好きな奴でどちらかがどうと比べる方がおかしいだろ。全く…可愛い恋人だ。

「…よそ見なんかするかよ。紀田しか見えねぇ。」

手前が愛おし過ぎて仕事に戻りたくないっつたら怒るかなぁ…。






【君を愛してる!】





「静雄さん…仕事いいんすか?」
「あと5分。」
「いやいや、かれこれそれ3回言ってますよ?」
「………………………………………ち、……紀田。夜家来い。」
「…はい!」







‐‐‐‐‐‐
こんなん書いている場合ではない。でも萌えが足りないんだ。
そして可笑しいな、可笑しいぞ。正臣が冷えちゃってるから静雄が抱きしめて、お礼に正臣が元気補充(キス)する流れがどうしてこうなった。





あきゅろす。
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