それはね、愛と言うんだよ(学リン+帝正) 【この気持ちを教えて】の帝正Side 「正臣、何見てるの?」 部屋に遊びに来た正臣にお菓子と飲み物を用意しているとパソコン画面を真剣な目で見ている事に気付いた。首を傾げながら正臣の背後から声を掛け、同じ様に画面を覗き込むと学天が部屋でリンダに押し倒されている光景が目に飛び込む。 「なっ」 「お、帝人。見よ、これが本来の立ち位置だ!」 二人の姿は持ち主に似せて作ってある。つまりは見た目からすれば僕が正臣に押し倒されていると言う光景で、絶句していると僕に気付いた正臣が振り向いて自慢げに笑った。 正臣、もしかしなくても今の立ち位置に不満なの? ムスッと眉を潜めて後ろから正臣に抱き着く。この構図は結構珍しい。いつもは逆なんだよね。 「んーどうした帝人?今日は甘えん坊だな。」 「これが甘えているように見えるなら眼科行くことをオススメするよ。」 「…………何怒ってるんだ?」 伊達に幼馴染で恋人ではないようだ。顔を見なくても声音で感情が伝わったらしい。だけど何にムカッときているかは分かっていないようで気の抜けた声で尋ねられる。 その間にも目の前の学天とリンダは仲良く会話している。何を会話しているのかはイヤホンを付けていない僕には分からない。けど凄く仲睦まじい。アバターも恋をするのだろうか、正臣の首に腕を回しながら考えていると丁度学天もリンダの首に腕を回していた。まるで情事の際に正臣が甘えてくるときみたいに。 「ねぇ…何話してるの?」 ちょっと腕に力が入り過ぎて正臣の首を必要以上に絞めていたみたいだ。ギブギブと抗議する正臣にそこで初めて気付き力を緩めてやる。 「…こいつらって恋するんかね。」 僕の問いにこたえてか単なる疑問か正臣に質問で返されどういうこと?と聞き返すその前に、学天はリンダにキスをした。僕は勿論、会話を聞いていただろう正臣も驚いている。 僕らを他所に学天はリンダに何か言っていて、リンダは照れながらも嬉しそう。反応も持ち主に似るのだろうか。そんな事を考えながら正臣が右耳に付けていたイヤホンを外して耳元に唇を寄せた。 「正臣、愛してるよ。」 「―――!!」 ギュッと抱きしめて囁く愛の言葉。きっと今の正臣は画面の中のリンダと同じ顔をしているんだろうな。 可愛いからこういう不意打ちはやめられない。 【それはね、愛と言うんだよ】 「つ…つーかなんで学天がそっちなんだよ!」 「そっち?」 「帝人側…」 「それは正臣もリンダも食べちゃいたいくらい可愛いからだよ。」 後で学天に詳しく聞いてみよう。そしてもっと教えてあげよう。僕が正臣を好きだと気付いた瞬間から知った『愛』と言うものを。『愛する』と言うことを。 とりあえず先に、目の前の恋人の機嫌を直さないとね。 ‐‐‐‐‐ 再び色々と行方不明。正帝正茶会への差し入れ。 突っ込んだら負け。 |