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秘めたる想いは時に業火(滝→正)

前から遠くから見ていた隣のクラスのムードメーカー。体育などの合同授業ぐらいしか顔を合わせないけれどいつの間にか視線は彼を追うこと暫し。これが恋だと気付くのに、そう時間は掛からなかった。
彼を目で追っているといつも一緒にいる有名人。(名前が、だけど。)とても親しげに学校でも放課後でも行動を共にしている二人に、嫉妬している自分に気付いてしまった。
今もそうだ。昼休み、いきなりの訪問者に内心驚きを隠せない。片方は想い人、もう片方は好敵手。想い人の口から紡がれる質問に、やっと訪問の理由に気付き二人で来るところを見て胸がもやもやする。

「滝口もダラーズ?」
「うん、そうだよ。」

嘘をつく理由もなく素直に答えては自信満々に彼は微笑む。そして隣にいる彼の友人に「当たっただろ?」と笑い掛けている。

「俺からも一ついい?紀田は恋人とかいる?」
「いない、いない。居たらこんなむさ暗い昼休みを謳歌しないって。」

いつもクラスで浮かべる笑みを浮かべながら全否定する姿に密かに安堵の笑みが零れる。ちらり隣にいる友人と目が合えばキョトンとしている。

「むさ暗いって俺も入るわけ?酷いな。」
「野郎同士いるより女の子といたほうが花ってものがあるっしょ?」

いつも遠くで見かける時と同じだ。本当、本気なんだろうが楽しい奴。
他に幾つか会話をしているところで終わりのチャイムが鳴り響き、彼は「お先!」と走り出す。その後を急いで追おうとした友人を引き止め、

「竜ヶ峰。…お前だけには負けない。」

宣戦布告をした。
幼なじみだからとかは関係ない。俺は紀田が好きだ。



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アンケにあった滝口×正臣。滝口→正臣になってしまったけれど書いていて楽しかったんですが、ドマイナーどんとこい!まさかモブに近い(寧ろモブ?)キャラとの絡み小説が書けるとは思わなかった。教えて下さった乙こ様ありがとうございます!こんな出来になりましたがどうでしょう?地味に滝正広がればいいとか考えてます(笑)




あきゅろす。
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