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今と昔の温度差(臨正)



真夜中、そろそろ寝ようかと手を付けていた仕事にキリを付けようとしていると不意に玄関のドアが開閉される音が耳に届く。日付も変わり数時間。こんな時間に客など有り得ないし助手に雇っている波江も呼んでいないのだから彼女でもないだろう。むしろ呼んでも彼女は断るに決まっている。はて、誰だろうか。全く検討がついていない訳ではなく、見えた姿にやっぱりと笑いその人物に向かって両手を広げて見せた。

「いらっしゃい。」

彼はこちらを一度だけ見て小さくお辞儀する。そして歩みを止めぬまま俺の元まで歩いて来るとその小さな身体を俺に預ける様にもたれ掛かった。

「どうしたの?」
「…抱きしめて…下さい。」

聞かなくても分かっていることをわざわざ彼の口から言わせて俺はその身体を抱きしめた。
正臣君はある一定の周期でこうやって俺の元を訪ねてくる。特別何かを会話するのではなく抱きしめて欲しいと、温もりを求める様に俺に身体を預ける。
彼はきっと淋しいのだろう。2年前までは多くの仲間に囲まれ、1年前までは親しい友人に囲まれ、今は俺と沙樹しかいない。
賑やかな時期があった分、今の静寂が淋しい心に滲みるのだろう。温かい時期があったからこそ、一人の寒さに耐え切れず俺を頼ってくる。

「大丈夫だよ、正臣君。俺はいつだって君の傍にいる。君を温めてあげるよ。」

返ってくるのは抱きついて来るその強さだけ。






【今と昔の温度差】






あぁ、君はなんて卑怯で可愛いのだろう!
もう離さないよ。誰にも渡さない!





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軽く夜勤初日の湊の心情だったりなかったり。
臨也に甘えたくないけど甘えちゃう正臣がみたい。
入浴中の30分クオリティーさ☆






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