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無自覚調教(臨正)

※生温い裏が入ります。






あぁ、身体が冷える。けれど人に言えない所は熱く、火傷をしそうだと錯覚してしまう。身体を伝う汗が風に冷やされ背後に感じる熱に自分は今暑いのか寒いのかすら分からなくなる。
加えて耳を塞ぎたくなるような音と声。自らが発している水音と、背後から囁かれる声に意思とは反して紡がれる嬌声。
どうして、こうなったのだろう?




始まりは放課後。学校終わりにいつも通りに帝人をナンパへと誘った。

「お姉ーさん。俺達と一緒にお茶しない?」

西口公園近くで道行くお姉さん方に声を掛けながら、軽くあしらわれてもめげずに話掛けていた。時折帝人の呆れと同情に似た視線を受け流しながらナンパへと勤しんでいると事は急速に展開していく。

「ねぇ、何してるの?」

ひょっこりと現れた神出鬼没なあの人は帝人の後ろから俺に微笑み掛けている。微笑む、といっても上辺だけで、目は笑っていないし(詳しく言えば獲物を見付けて悦ぶ肉食獣)、雰囲気は暖かいそれとは真逆、いや、寒さすら感じない温度のない笑顔。

「い、臨也さん!?」
「アンタには関係ないことで」

す、と言い切る前に伸びてきた手に抱きしめられた。驚き焦る帝人を尻目にこの人は顔を今にも唇が触れ合いそうなほど近付け囁く。

「俺と言う恋人が居ながらナンパとは関心しないなぁ。」

飄々としかし捉えた獲物は逃がさないという口ぶりで臨也さんは俺をみた。
確かに否定はしない、恋人というところは。(不本意ながらも惚れたのは俺。)
でも、

「ナンパぐらい良いじゃないですか、浮気してるわけじゃないんで、」

また言い終わる前に今度は顎を掴まれ口を塞がれる。絡む視線は先程よりも鋭く思わずビクリと身体が震え反応してしまう。
この射ぬかれる様な冷たい視線に何故か俺は身体の高ぶりを抑えられない。

「…前にも言わなかったっけ?ナンパも禁止だって…破ったら、分かっているよね?」

口が孤を描き笑みとなる。だけどやはりそれには温かみもなく。
有無を言う前に俺は臨也さんに連れ去られてしまった。
あぁ、明日帝人になんて説明しよう。

そんなどうでもいいことを考えているといきなり手を離され壁へと押しやられた。人気が全く感じられない路地裏。空が闇に染まり掛けているから明かりも少なく、遠くの街のネオンだけが頼り、そんな薄暗さ。
その中の臨也さんはとても楽しそうに笑い俺の両側に腕をついて見下ろしている。
逃げようと思えば隙ぐらいはある。けど、それをしたら最後、次はこんなんじゃすまないだろう。いや、今から何をされるかも予想したくないわけだけれど。

「ねぇ、さっきから考え事?随分余裕なんだね。……最後に聞くけど、何か言うことある?」
「……えーっと…臨也さん、好きです。」

ここは何かを言っておかなければと出てきた言葉はそれ。多分間違えなのだろう。臨也さんの目が細く狭まり笑みが浮かぶ。

「なら、好きな相手に何をされてもいいんだよね。」


そして冒頭へと至る。
後ろから臨也さんに抱きしめられ手が露わになった俺自身を優しく、そして乱暴に扱く。優しいかと思えば乱暴なその動きに痛いのか気持ちいいのか嫌なのか悦いのか分からない。
先走りの溢れるそこにそれを塗り付けるように手を動かし、先端を弄られれば今回何度目かの射精をしてしまう。

「う……ぁあ…っ」

小さく身体を震わせ欲を吐き出して、また臨也さんの手を汚す。
その手が引かれ背中から温もりが離れると壁伝いに崩れ落ちては緩く振り返る。
薄ら明るい視界のこの人は欲にまみれた手に舌を這わせていた。まるで見せ付けるかのように、ちらりと時折俺を伺いながら。

「…なに、…をしているんですか…。汚い。」

何度も休みなくイかされ息が苦しい。けど今はそんなこと関係ない。相手に行動を止めさせようと完全に振り返り背中を壁へと預けてから手を伸ばす。
あー足に軽く感覚ない。というか頭がぼーっとするんだけど。

「何?綺麗にしてくれるの?」

伸ばした手を通り過ぎこの人は意気揚々と言い放つ。馬鹿言うな!というように睨みつけるも意味もなく、無理矢理口の中に指を突っ込まれ口内に独特な苦味が広がる。舐めろ、と手の動きと顔に貼付けられた笑みで言われ、抗うすべもメリットもなく大人しく従う。
なるべく何も考えないように舌を動かし丹念に指を舐めていく。本当、この人は無駄に長く綺麗な指をしていると思う。これが自身に触れていたんだと思うと顔に熱が集中する感覚に襲われる。それを振り払おうとしているとまた新たに声が降る。

「美味しそうに舐めちゃって。本当こういうのが好きだよね?手もだけど、ココ、もいつも美味しそうにくわえて…そろそろ欲しいんじゃない?」

静かに見つめていると思ったらそんなことを考えていたのかこの変態。美味しそうにとか言うがアンタが勝手に、などと心の中で悪態をついているともう片方の手が後孔に触れる。ビクリと身体を反応させ相手を睨むも既に遅い。大きく足を開かれその間に臨也さん。
そろそろ腹を括るべきかと頬を冷や汗が伝う。

「ねぇ、もう一回聞くよ。何か言うことは?」

これも何度目かの問いだ。何かにこの人は怒っている。だけど俺にはそれが分からない。だからなおこの人は笑顔を貼付け空気を凍らせているんだろう。

「…臨也さん、愛してる…って?」

本気で言うのは気に食わないから生意気っぽく言ってやる。何度も同じやり取りをしているからこの返答も違うのは知っている。けれど心辺りがないのだから下手な言葉を紡ぐよりはマシだろう。

「…君って本当学習しないよね。今のこともだし、こういうことになっていることもだし。前回で学習しないわけ?」

呆れたため息と表情を一瞬見せた後、優しさ皆無な何も映さない表情へと変えて開かれた足を更に大きく開かせられる。くる、っと思うと同時に本当にいつ取り出したか気付かなかった相手の高ぶるそれを予告も慣らすことも無しに突っ込まれ悲鳴を上げた。

「くっ…ぁああ!」
「分かるまで君の身体に教えてあげるよ。頭の悪い君には一生掛かってもムリそうだけどさ。」

こちらの気遣いなしに好き勝手に動き始める臨也さんを苦し紛れに睨みながら、でも手を伸ばして抱き着いた。

「臨也、さん…すき…」

息も上手く出来ず切れ切れに言葉を紡ぎながら何度も囁く。
肝心なことは紡がずに…。

だってここで言ってしまったらアンタは満足してしまうだろ?

行為は俺の意識が飛ぶまで続けられた。
ナカに吐き出された欲に俺は密かに笑みを零していた。


‐‐‐‐
蜃気楼様よりアンケリク。浮気、お仕置き、鬼畜臨也と無自覚マゾな正臣でしたが…無自覚マゾな正臣が書けません(涙)
裏も生温くてすみません!でも書いていて楽しかった、それだけは言えます←
2000ヒット御礼小説となります+




あきゅろす。
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