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黄巾賊を統べる者(正+谷田部)


※【ダラーズを統べる者】の続編です。




日に日に悪化していく黄巾賊とダラーズとの勢力争い。つい先日にはダラーズ狩りが行われ、黄巾賊のリーダーである俺は何もすることが出来なかった。止めることも、事前に知ることすら。昔と変わってしまった黄巾賊に歯痒さを覚えながら、いつ、敵対するダラーズの創始者にまでその触手が伸びるかと俺は不安でならなかった。
敵対するリーダーが俺の最も大切な友人…恋人でなければ迷うことも無かった。ダラーズは…斬り裂き魔は杏里を傷付けたんだ。それなりの報いは受けて貰わねぇと俺の気が済まない。
だが現実は残酷で、ダラーズのリーダーは竜ヶ峰帝人と言う事実。俺はどうするか迷っていた。このままでいいのか自問自答を繰り返す。
アジトである廃工場の前で中にいる仲間に何て伝えるか。斬り裂き魔を捕まえたいがダラーズには手を出すな?斬り裂き魔もダラーズの一員だというのに?考えれば考えるほど思考の闇に嵌まっていくような感覚だった。
鈍よりと重い曇り空を見上げていると声が掛かる。振り向けば慌てた様子の谷田部が俺の名前を呼びながら近付いてきた。

「どうした、谷田部?」
「将軍!法螺田達がダラーズの創始者を捕まえたって聞きましたか?なんか将軍には内緒にして自分達でボコるとか騒いでるらしくって」
「な…」

み…か…ど…。
恐れていた事が起こってしまった。絶対にそれだけはさせないと思い願っていたのに。
さっきまでぐちゃぐちゃ考えていた頭の中が妙に澄み渡っていく。今、俺がしなければならねぇこっはただ一つ。

「谷田部…ちぃーと外してくれっか?」
「将軍、奴らをシメに行くなら俺達も」
「違う違う。これは俺の我が儘で俺の身勝手な行動だ。ついてくるともれなく手前らまでダラーズ扱いされるぞ?」
「…俺は将軍に憧れてここにいるんす。俺…俺達は紀田正臣にどこまでもついていきますよ。」

どうどうと言い切る谷田部にこっちが逆に面を食らう。しゃぁねぇ、そこまで言うなら俺は何も言わない。
落ちていたバールを拾い上げると先程まで躊躇していた廃工場のドアをゆっくりと開けようとするとその前に開く。いつの間にか集まった黄巾賊の出来た時からいるメンツが開けていてくれたのだ。

「んじゃいっちょ、姫さんを救出してきますか。」

バールを担ぐように持ち直し、中にいる最近新しく入ってきた仲間を睨む。
帝人に覆い被さり、服に手をかけている法螺田を睨む。




【黄巾賊を統べる者】






迷いは吹っ切れた。
さぁ、帝人。今助けてやるからな。










‐‐‐‐‐‐‐
…続くのか?終わりを忘れて右往左往。
とりあえず帝人のことを正臣が知って助けに行くってのを書こうとしたんだけどな。つか帝人のこと知らされたシーンは5行ぐらいで終わるはず、だったんだけどな。
どうしてこうなったww






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