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何でもない一日が(臨正)

薄く明かりが寝室に差し込む時間帯、携帯のアラームに目を覚ますと直ぐに止めて隣で眠る恋人に視線を送る。ぐっすりと眠り起きる気配を見せない相手に小さく笑みが零れた。ゆっくりあまり揺らさないように気をつけながらベッドを抜け出すと緩く腰を引かれた。

「?」

寝ぼけた相手が離さないというように俺を再びベッドへ引きずり込もうとしている。宥めるように黒い柔らかい髪を撫でて離すように促せば分かったのか腰に絡みつく腕の力が弱まる…ことはなくそのままベッドの中に引きずり込まれた。
後ろからぎゅうっと力強く抱きしめられ、うなじに感じる感触にやっと彼が寝ぼけている訳ではないと悟る。

「臨也さん!ふざけるのもいい加減にして下さい。」
「いいでしょ。久しぶりの休みな訳だし寝坊しようよ?」
「それ昨日も聞きました。」

ぺりっと効果音が付きそうなぐらい勢いよく引きはがして部屋を出た。本当毎日これでは大変で…そして幸せだ。部屋を出た所で小さく身体を抱きしめた。まだ温もりが残っている。

それから朝ご飯も食べ終わり特別何もすることがなければリビングで二人してテレビを見ている。夜のようにドラマや気を引くようなバラエティーがやっているわけでもなく、ただニュースやドラマの再放送などを掛けたまま身体を寄せ合っていた。ふと臨也さんの身体が傾き、そのまま倒れていく。どうしたのかと内心驚きながら視線を送ると膝の上で落ち着き笑顔と目が合う。

「正臣くん、俺少し寝るね。」
「…さっきまで………分かりました。何時に起こすとかあります?」
「んーん。でも一時間したら起こして?」

突然寝ると言われついさっきまで寝ていただろうと指摘しようとしてやめた。真夜中相手がベッドを抜け出していたことを思い出したからだ。多分急な仕事かなんかだろう。だからと今回は特別膝に乗っていることも指摘しないでおくことにした。
お休みなさい、それを言おうと口を開いた所で首に腕が絡まり臨也さんの顔が近くなる。唇に触れる感触に反射的に目をつぶり受け止めた。

「愛してるよ、正臣。」

離れた唇から紡がれる言葉に顔を背けて、俺もと呟いた。笑う気配を感じながら視線を戻すと既に目をつぶっているその顔に、愛おしさを抱きながら髪を撫でた。
映りっぱなしのテレビからは料理番組がはじまり、

(あ、これ臨也さんの好物だ。)

夕飯にでも作ろうかと考えながら幸せを噛み締めた。



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1000ヒット御礼小説です!アンケ結果はこちら
甘さベースにアンケ結果の"膝枕でひたすら臨也を甘やかす正臣"を目指しましたが如何でしょうか…。
このあと買い物、夕食編を書いてみたいと思ったり。絶対甘いこの二人はバカップルだ!
ヒット御礼なのでフリー小説になります。


あきゅろす。
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