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禁煙のスゝメ(静正)



街で久しぶりに見かけた恋人は、何時にも増して眉間に皺を寄せていた。




「お兄さん、俺と遊びませんか?」
「あ゙?」

始めに見付けた時は遠目だったから静雄さんは俺に気付いていなかった。だからこっそり背後に回り、軽く肩を叩いて満面の笑みで話掛けると苛立った声と共に睨み付けられた。まぁ、予想通りだったがそれでもやはりちょっとだけビックリしているとその表情は直ぐに和らいだ。

「…紀田か。」
「今日和っす。どうしたんすか?また臨也さんにでも会いました?」

いつもの優しい表情だ。この表情になれば間違った発言をしなければそうそうキレることはない。臨也さんの名前を出すのは少し危ないかなと思いながら何があったか知りたい好奇心もあり、率直に尋ねて見ると少しだけまた苛立った表情になったがキレることはなく答えてくれた。

「いや、ちょっとトムさんに言われて禁煙してみようかとな…」

いいながら癖なのか懐を探り目当てのタバコがないことに気付いて手を下ろしている。
どうやら田中さんにタバコの吸い過ぎで注意されたらしい。注意、とまではいかないが吸い過ぎに体の健康を気遣われたみたいだ。確かにタバコは百害あって一利なしだ。依存性はあるは健康障害はあるはで正直俺も心配していた。
だからと言えヘビースモーカーにも入るだろう静雄さんが禁煙。無理をしなければいいと思いながらあることを思い出す。

「あ、静雄さん。ちょっと待ってて下さい。」
「?」

一言声を掛けると俺は近くのコンビニへ飛び込みあるモノを買うと直ぐに戻ってくる。
その間にもヤニ切れよろしく静雄さんは少し苛立ったっていた。
確かタバコ吸わないと口淋しいってよな。

「静雄さん、あーん、」

戻ってくると目が合う恋人に向かい口を開けて欲しいと口を開ける動作をしていると倣うように口を開ける静雄さんの口内へチュッパチャップスをほうり込んだ。

「ん…?!」

予告なしにそれをほうり込んだのだから当然驚いて目を見開く静雄さんに悪戯っぽく笑ってみせる。

「ほら、タバコ吸わないと口淋しいっていうじゃないっすか。だから飴とか舐めてみたらどうっすか?」

よく漫画とか目にする在り来りな方法。それなら禁煙を助けるガムだったかそういうのの方がいいかと思うが生憎あのコンビニには見当たらなかった。まぁ代用ってことで。
笑って提案していると暫し考える素振りをした静雄さんが飴を取り出した。

「なら俺はこっちがいいなァ。」

そして近付く顔に何をされるのか一瞬反応が遅れる。
そのままキスされ、侵入してくる舌はイチゴミルクの味がした。



【禁煙のスゝメ】





「なら会う度にキスしてタバコ吸ってないか確認しますね。吸ってたら暫くキス禁止で。」
「な゙?!」

恋人の禁煙の、手助けでもしましょうか。








‐‐‐‐‐‐
煙草と言ったらこうだろう、という定番ネタ。
正臣からキスか静ちゃんからキスか最後まで迷い話の流れ的にこうなりました。別にチュッパあげた後一回取り上げて「でも俺がいるときはこっちで」って正臣からのチューでもいいかなと思いつつ指はあっちを書いていたというやつっす。
絶賛リハビリ中。一時間低クオリティーw






あきゅろす。
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