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戦犯冒すは報復せよ(帝正)


*軍事パロ





暗い室内。月明かりだけが光源でその明かりに照らされるのは幼さを残した冷酷な顔。皮張りの椅子に我が物顔で座るまだ少年と呼ぶに相応しい人物は冷たい目をして己の目の前に立つ腹心である部下を見つめた。

「ねぇ、どういうこと?僕の命令に逆らうなんていい度胸だよね。……正臣?」

ゆっくりとした動作で腰を上げ、己の怒りにも動じる姿を見せない部下…紀田正臣に近付くとその胸倉を掴むと引き寄せ無理矢理視線を合わせる。座り込んでいる正臣は苦しげに一瞬眉を潜めたがそれ以上は何も反応しない。いつも明るい彼から笑顔奪われた無にも近い表情を見つめながら彼は再度問い掛ける。

「一回ぐらいなら言い訳聞いてもいいけどつまらない内容だったら赦さないよ。」

今回の作戦は実に簡単なものだった。戦況はこちらが有利で圧倒的な強さを見せて降伏させる。ただそれだけだったのに、正臣の身勝手な行動に余計な時間と戦力を使う羽目になったのだ。
正臣は敵陣に一人で乗り込み、捕虜として捕まってしまったのだ。結果として降伏させるのではなく殲滅させるという最悪な事態に流れ込んだ。それはこの上官の怒りを買ってしまったのだから当然と言えば当然なのかもしれないが。

「帝人…」

冷めた表情を浮かべる上司…竜ヶ峰帝人とは正反対に今お叱りを受けている正臣は、己の胸倉を掴む帝人の手に手を添え後悔に満ちた表情を浮かべた。それは帝人の命令を無視して叱りを受けているからではない。事態が最悪な方向へと進んでしまったからだ。最良な方向に行くならばどんな叱りを受けても構わない。そう思って行動したのに結果は予想とは真逆へと進んでしまった。
正臣はただ、無駄な血を流したくなかっただけなのに、話し合いで済むなら平和的解決をしたかっただけなのに。結果はこの様だ。
帝人は掴んでいた手を離すと腰を下り、優しく正臣を抱きしめた。肩から掛けられた己の上着ごと、その下の素肌の感触に目を細めながら、伝わる温もりを力強く力強く抱きしめる。

「ごめんね、正臣。でも、正臣が捕まったって聞いたらいてもたってもいられなくて…」

別に敵を殲滅させる程ではなかった。予定は少し狂うが捕虜交換の要請やそれを元に同盟、停戦公約を結べば良いだけの話。しかし正臣を失うかもしれないという妄想に帝人は冷静さを欠いてしまったのだ。
帝人も自分が正しいと思っている訳ではない。正臣の勝手な行動の理由も分かっている。だけど自分の上には更に上がいて、それには逆らえない命令だった。だからせめて必要以上の血は流さない様にと考えていたのに。帝人は正臣を傷付け泣かせてしまった。
声もなく正臣の頬を伝う涙を舐め取り、目尻にキスをする。慰めるように優しく優しく、壊れ物を扱うかのように帝人は正臣に触れていく。

「でも…自業自得だよ。僕の正臣に手を出したんだから。」

そっと小さく耳元で囁く。そう、あいつらは手を出していけないものに手を出してしまったのだ。いつもは気の弱そうな上官の、竜の尾を踏んだのだ。
耳を舐め、犯すと正臣から小さな声。制止の声ではなく甘い甘い嬌声。
耳を犯す舌は下降していき肩から羽織らせた軍服を脱がせ、首筋へ下りていく。点々と咲き誇るのは帝人の知らない赤い赤い痕。

「正臣が無事で…本当に良かった。」

帝人はその上に、上書きするように強く強く吸い付いた。チクリとする痛みに心地好さを感じながら正臣も、帝人を抱きしめる。




【戦犯冒すは復せよ】






「でも正臣にはちゃんとお仕置き受けてもらうからね。ほらそうしないと他の人に示しがつかないから。」

彼等の周りには血に染まる動かない人と呼ばれていた肉塊。

「正臣、愛してる。」
「…あぁ、俺もだ。」

それは帝人の怒りを受けて絶命した敵軍と、…裏切り者の姿。







‐‐‐‐‐‐‐
昨夜の茶会を思い出し頭がパーッンってなった結果。反省はしている。だが後悔はしていない!
というわけで軍事パロの上官×部下。
詳しく補足するなら若くして一個隊の隊長となった帝人が面白くない隊員は今回の命令違反を正臣に唆して作戦失敗させ、帝人の失脚を狙っていたんだけどそれが逆に帝人様の怒りに触れ、返り討ちにあってしまったという。
ちなみに敵軍さんと裏切り者さんは繋がってません、が、その双方の裏には臨也が関連しているというどうでもいい裏設定。
裏切り者さんの存在は始めから帝人は知っていたけど、若い自分に不満が出ないわけないと思っていて放置していたら…みたいな。
敵軍さんは正臣の色香にやられてあーあーというわけでなく、正臣から情報聞き出そうとリンチ(暴力の方ね)するも口開かず、なら男にとって屈辱的なリンチでもしようかと犯しました。

少しどころではない補足w
昨夜の茶会でお相手して下さった方々(陽斗様、そら様、白雪様、ゆき様、リョウ様、雪様)へ捧げます+
いや、「いらねーよ!」ってね(笑)
昨夜はありがとうございました!







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