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なんじゃらホイッ
16
俊樹は俺の顔をじっと見たまま動かない。

おーい、好きな奴、放っておいていいのかー?

俊樹、あいつの事好きなんだろー?


「バ会長ーっ、いい加減はーなーせーっ!」

ほら、もうあいつモガモガ言ってますよー。

罵声とびまくりですよー。


ようやく俊樹が動き出した。

まず、空席のところまで行き、その椅子を持ち上げて、俺とあいつの間に置きましたっと。

はい?

「ちょっと、何するんだよっ!
俺は春喜の隣で一緒に食べるんだーっ!」

おいおい。

「はっ、俺がどこで食べようと俺の勝手だろう?」

…俺様?

なんか、ますます王道だな。

あいつがなんかキーキー言ってるけど、関係ないか。


「春喜」

ちょいちょいと鈴琉が袖を引っ張ったので、くるりと反対方向に向いた。

「どしたの?」

「今のうちに券取りに行かない?」

そういえば、今だ誰も食べ物を頼んでいない。

「そうすれば、一時的に朝夏と離れられるし、生徒会からの睨みも少しは無くなる。」

「よしっ、行こう!」

これほどいい条件、行くっきゃないだろう!

「うん。」

席を立って頼みに行こうとすると、

「あ、俺カレーライスね〜」

「洋食Aで。」

「…和食B」

「洋食日替わりね!」

「こっちは和食日替わりで!」

「あー、悪いけど、から揚げ定食で。」

…皆言い付けてきやがった。

「あっ!俺オムライスーッ!」

お前もか。

ちらっと俊樹の方を見たが、何も言わない。

お任せってことか?



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