なんじゃらホイッ 20 ―ピポパ 夏香はケータイを取り出すとどこかへかけはじめた。 いったい何を考えているんだ? 「もしもし、姉さんですか? 夏香ですが、お久しぶりです。」 ますます分からない… 「…いえ、明日雪は降りませんよ はい、実は相談があるのですが、…えぇ、聞いたところによると今月中に春喜君が咲白に編入するそうですね。 それで、うちの朝夏も編入するのですが… はい、もちろん裏口ですよ。」 やはり、朝夏がここに編入するのは誰もが疑問を持つらしい。 「はい、それで、春喜君の事でお話があるのですが… はい、実は、春喜君が編入する際に『斎』ではなく『北村』の姓を名乗ってほしいんです。今回はその許可をいただくためにお電話かけたのですが…」 『北村』とは、春喜の父親の姓だ。 北村はセキュリティー会社で有名だ。 しかし、なぜ北村を名乗る必要があるのだろうか 「メリット、ですか? はい、まず朝夏と春喜君が親族だ、とばれる可能性から免れます。 …まぁ、近付かない方がいい理由は…分かりますよね? 姉さんにとっても面白い事がありますよ? …そうですね では、朝夏を変装させて通わせましょう。 もちろんビン底眼鏡にもっさりかつらです。 …はい、はい。ありがとうございます! では、失礼します。」 そういえば、姉さんも腐女子だった。 ←→ [戻る] |