なんじゃらホイッ 16 「で、本題に入ってもいいですか?」 「…どうぞ?」 持参したお茶を飲みながら夏香はいった。 「単刀直入に言いますと、うちの朝夏をこちらの学園へ編入させてほしいんです。」 朝夏とは何度か会ったことがあるのだが、とても明るく、元気で可愛い子だった。 だが、生憎自分はそのような趣味は持ち合わせていない。 「別に構わないが」 「裏口でも…ですか?」 「…」 確かに会って話したくもなるな… 「朝夏はあまり勉強ができないのか?」 「はい。 破滅的にできません。」 …即答におまけ付きか 「大体どれくらいの成績なんだ?」 「これくらいです。」 夏香が持ってきた朝夏の成績表を見ると… 「これは酷い…」 体育は5だが、他はオール1 想像を絶する成績だ… 「あれは勉強がとても苦手で… 案の定、受験したところも全て落ちました…。 私は受験前なのだから少しはやりなさい、と言ったのですが、元々勉強嫌いなので、頑として首を縦に振らなくて… それどころか、妻まで朝夏に賛成して… 朝夏の周りにいるほとんどの人は朝夏を溺愛していますから」 「…つまり、お前達は朝夏を甘やかし過ぎたのだな」 「お恥ずかしい限りです。 そして私が少し目を離したらいつの間にか族の幹部に…。 でも、性格は全く変わっていません。」 それは流石に予想していなかったな… 「それで、受け入れ先がなかったからここか」 「はい…」 「あのな、いくら朝夏が可愛いくても、時には厳しくするのも大切だろう? 甘やかすだけが愛情ではないのだから。 今回はお前だけの責任ではないものの、お前は父親なのだから、少しは威厳を表した方がいいぞ。」 「はい…」 ←→ [戻る] |