なんじゃらホイッ
10
「あ、そういえばね、あそこから脱出する時にね、面白い事聞いたよ。」
「ん?どんな?」
あの人だかりから抜け出し、校舎に向かう時、鈴琉が言った。
…なんか嫌な予感がする。
「あのね、やっぱ皆あの猫耳帽子の子の正体気になってるみたい。」
それはそうだよな。
いきなりあんな、得体の知れない生き物が現れたんだから。
「で、これからその猫耳帽子の子を見付けよう!っていうブロジェクトが始動するみたい。」
…え?
なんですとーっ!!!!!?
「しかも、聞くところによると、参加人数は下手したら、この学校の親衛隊の数より多いんじゃないかって。」
やめとくれーっ!
なんで高々、猫耳帽子の平凡少年見付けるためにそんな人数が必要なんだよっ!
皆、暇なの!?
そうなのかっ!?
「だから、これから大変になるね。
見付からないように気をつけてね〜。」
…どうしよう。
てか、本当に始動しないでくれ。
これ企画した奴は、皆ぶっつぶしてやる…っ!
昇降口につき、上履きを履こうとしたところで言われたので、靴の踵、思いっきり踏んじまったじゃねーか。
あーあ、これまでの上履きの踵踏まない記録、止まっちゃったじゃねーか。
ま、どんまい。
俺は、これからのことを思いながら、重い足どりで職員室に向かった。
←→
[戻る]
無料HPエムペ!