なんじゃらホイッ
8
―昨夜、食堂で一世一代、前代未聞の出来事が起きた。
知っている人も多いことだろう。だが、ここで改めて報告する。
皆も知っている、あの生徒会長、斎 俊樹様が、他人を自ら手伝ったのだ。
斎 俊樹様といえば、中等部で生徒会長を勤められ、そして現在、わずか高校二年生で高等部の生徒会長を勤められておられる、大変素晴らしいお方だ。
性格も少々俺様のような一面もあるが、とても真面目な方だ。
そして、決して人の手助けなどしない。
つい先日にこの学園に編入してきて、瞬く間に生徒会の皆様やランキング上位者の方々を、もちろん生徒会長までも誘惑していった、あの斎 朝夏をはじめ、どんなに親しい関係の者でも、優しさのカケラでさえ見せなかったあの会長が、昨夜、突如現れた猫耳帽子をかぶった少年の手伝いをしたのだ！
さらに、その後、会長とその少年が手を繋いで歩いてる場を目撃した。
何と言うことだろう。
あの会長がそのようなことをするはずがない。
しかし、事実、会長は昨夜それをしていたのだ。
一体、あの少年は何者なのであろうか。
その正体を明かすべく、我等新聞部は今後、謎の猫耳帽子の少年を追求していき、その真相をお伝えしていこうと思う。
追記:猫耳帽子の少年について、何か情報のある方は、新聞部部室まで。
「…」
「……」
「春喜、どうする？」
「どうするも何も、とりあえずばれないようにするしかないだろ。」
でないと、俺が生徒会といたことバレて大変なことになる。
はぁ、面倒臭いことになってきたな。
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