なんじゃらホイッ
5
う〜ん
そろそろ本当にヤバいな。
よし、先行こう。
元々、一緒に行くなんて約束自体してないから平気だよね。
はい、思い立ったら即行動って家訓にもあるからね。
うん。
近くに置いてある、かなり以前からお世話になっている鞄を持ち、違う世界に意識が飛んでいる二人に気付かれないように、抜き足で玄関まで向かう。
これ、意外と楽しいな〜。
玄関に着いたところで、素早く靴を履き、鍵を開けて外へ出る。
おっし、ミッション完了☆
明日はもう少し、ハードル高めのステージに挑戦するか。
って、何のゲームだよコレ。
「あ、春喜おはよー」
「おっす、鈴琉!」
俺がミッションをクリアした直後、鈴琉が隣から出て来た。
よくタイミング合ったな〜。
「あり?
そーいえば拓也は?」
辺りを見回しても拓也の姿が見えない。
よりによって、鈴琉が置いていくはず…あるかも。
「拓也はサッカーの朝練。
ねぇ、僕が何の理由もなしに、友達を置いていくように見える?」
「いいえ、まっっっっっっったくございませんっ!
すいやせんでしたーっ!」
きっちり90゜腰を折った。
あの笑顔は(色々な意味で)犯罪だ。
よし、今日はもう鈴琉怒らせない。
俺、頑張るよっ!
「ま、いいよ。
それより、一緒に学校行かない?」
「もちろんっ!
行こうぜ鈴琉!」
「あ!ちょっと、春喜ーっ!」
久しぶりの登校、ちょっとテンション上がるわ。
よし、これからカットされた青春をおもいっきり謳歌してやるぞ!
えいえい、おーっ!
…あ、これは気分ね。
あくまで気分だから。
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