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夢のはなし-不二周助-



「知ってるかい」

「何を?」

「昔はね、夢に出てきた相手が自分を想ってくれているっていう説もあったんだよ」

「…何が言いたいの」

「今日の夢に岡崎さんが出てきたんだ。もし君が僕を想ってくれていたら、嬉しいなーなんてね」


一見、王子様なこの男は女の子に大人気。だが、あくまで一見。私は、かねてから不二周助腹黒説を提唱している。


それでも、このルックス。悔しいことに、どんな台詞だって様になっちゃう。



「だから、私は好きじゃないって」

「わかってる。だけど、そんなにハッキリ言われると逆に燃えるんだ。意地っ張りな君が僕でいっぱいになったらって考えるとさ。ね?」


ね?って言われても、私には生涯理解し得ないだろう。だいたい、自分がどれだけ楽しそうな顔でS発言をしているか、わかってんの?


「やっぱり、不二くんは簡単には信じらんないな」

「ははっ、冗談じゃないか」

「嘘だ」


にじみ出るオーラが真っ黒だったもん。あれは絶対腹の底から溢れ出てた。冗談なんかで醸し出せる黒さじゃなかった。





「僕は」


私がため息を一つ吐くと、楽しそうな声色から一変、少し下がったトーンと黒くないオーラ。


「いくらでも待てるから。ちゃんと、僕を好きになってよ。ゆま」


ずるい。急にそんな目をされたら、名前を呼ばれたら、聞き流せないじゃない。


この腹黒な王子様は全部分かっててそんなことを言うんだ。それも分かってるのに、私もしっかり意識しちゃうから気に入らない。



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